8年生(中2)のイケてないヒロインが最高!
「エイス・グレード」75点★★★★
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来年、高校生になる
8年生(中2)のケイラ(エルシー・フィッシャー)は
「学年で一番無口な子」に選ばれるほど
目立たない女の子。
実は家で「ケイラの人生指南」的動画を撮影し、
YouTubeにアップしたりしてるけど
「いいね!」の数はイマイチだ。
シングルファザーのパパは
友だち親子を目指してるらしいが
はっきりいって、ウザかったりもする。
そんなイケてない日々や、自分を変えようと
ケイラは一念発起して、
憧れ男子エイデンにアプローチしようとするが――?!
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いやあ、これは
SNS時代の青春映画の、新たなヒロイン誕生!でしょう。
8年生(中2)のイケてないヒロイン、ケイラの
子どもらしい一途さと、冷静に自分を見ているクールさのせめぎあい、
その懸命さが愛おしくて
ププブッと吹き出しつつ、笑顔になってしまう。
まず高校生はよく題材になるけど
中学生を描いたものって、初めて見た気がする。
それだけイケてない時代なんだ、
葬り去りたい黒歴史時代なんだってことがよくわかるというか
だって
みんな太っちょだし、ダサいし、男子はガキだし!(爆笑)
そんななかでケイラは
YouTubeに「人生指南」的な動画をアップしてみたり、
「もっとこうなってるはずの自分」を思い描き、
自分を変えようと奮闘するわけですね。
毛布に潜ってキスや〇〇の練習をしたり
(つーか、いまどきの子どもは、YouTubeで〇〇のレッスンをするのか!笑)
ぽっちゃり目だけど、実はケイラ、かわいいから
全然眼中にない男子からアクション起こされたり。
(意味ねえし!笑)
そう、この映画が最高にいいのは
リアルスクールライフを描きつつも
そこに
苛烈ないじめの描写とかがあるわけじゃない。
さらに「妄想女子」方向にいくわけでもないってところなんですね。
どこかやさしくおっとりしつつ、
でも心にちょっとツンとくる普遍の思春期の痛みもあって
どの世代にも、刺さる。
そこが新しい。
なにより、これがいまを生きる中ボーの最先端、ってところが
貴重だと思う。
スナップチャットやインスタとともに生き
(もうフェイスブックなんて古!で、みんな使ってないんだそう)
それがあることが当たり前な彼らの日常。
あふれんばかりの情報と、そのスピードに柔軟に対応し、
膨大な時間を、スマホに向き合って過ごすその姿に
部外者のオバさんは「大変だなあ」と思ったりもするんです。
それにねえ
ケイラが憧れる男子、エイデンのキャラがサイコーなんですよ。
もう、中学生男子のガキっぷり全開!って感じ(笑)
SNS時代だろうが、そこ変わんないんだなあと爆笑しつつ
もっと登場して欲しかった!
★9/20(金)からヒューマントラストシネマ渋谷、渋谷シネクイントほか全国で公開。