ジョニー・デップの、いまここが境地――かなw
「グッバイ、リチャード!」70点★★★★
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大学教授のリチャード(ジョニー・デップ)は
ある日、がんで「余命180日です」と告げられる。
自覚症状もなく、仕事も順風満帆、
美しい妻(ローズマリー・デウィット)と娘(ゾーイ・ドゥイッチ)に囲まれ
理想の暮らしを送っていた彼にとっては青天の霹靂。
「なんでやね~ん!!!」と絶叫した彼は
さあ、そこからどう生きるのか?
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ガンで余命宣告された大学教授が
人生を見つめ直す物語。――と書いてしまうとありきたりに思えるんですが
ジョニー・デップの、あの目力(めぢから)や毒気が
よい意味で抜けた、ナチュラルなダメさに見入ってしまった。
残り少ない命、どうせ先がないんだ、弾けてやる!――とはちょっと違って
リチャードは
力むことなく、限りなく正直に「自然体」になっていく。
寝っ転がって授業をし
ハッパを吸い、酒を飲み、親友とグダグダ話をする。
娘の、ある告白にも
「え?まあいんじゃね?そういうこともあんじゃね?」な感じw
それは彼自身が青春を送った時代に
「ホントは、こう生きてみたかったナ」というモデルなのかもな、と思う。
そんなリチャードに
ジョニデ自身がなにやら重なってしまうというか(笑)。
なんか、自然でいいなあと。
リチャードは親友一人にしか病気のことを打ち明けないので
ほかは誰も彼がそうなった理由を知らないんですが
それでもゼミの学生たちや、彼の娘ら若い世代が
リチャードの変化を好意的に受け入れる、ってとこもポイント。
大人の鎧を脱ぎ捨てて、素直に、正直になった人は
若者たちに、ある処し方を表すことができるんでしょうね。
そんなリチャードに寄り添ってくれすぎる(笑)
親友役、ダニー・ヒューストンもいい味だしてます。
終わり方も、悪くない。ないんだけど
やっぱ、1点だけひっかかってしまうのでありました――
置いていこうよ!
★8/21(金)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。