猫はね、そんなに出てこないす。
「ペルシャ猫を誰も知らない」51点★★
「亀も空を飛ぶ」で注目された
イランのクルド人監督パフマン・ゴバディが
イランの“いま”を音楽を通して
紹介しようと作った映画です。
いまも西洋文化や音楽を
厳しく規制しているイラン。
しかしアンダーグラウンドでは
ロックにメタル、ポップスとさまざまな音楽が演奏され
取り締まる当局といたちごっこを続けている。
主人公の男女ネガルとアシュカンのカップルも
海外演奏を夢見るミュージシャン。
彼らはバンド仲間を探すため
さまざまなミュージシャンを訪ね歩くのだが・・・。
タイトルの「ペルシャ猫」は
イランそのものを表しているらしい。
ペルシャっていうのはイランを表す古名で
「名前は有名だけど、実体は知られざるイラン」
というような意味でしょうか。
で、本編に登場するのは
本物のアンダーグラウンドミュージシャンたち。
牛小屋で練習して牛の乳を出なくしてる
メタルバンドとか(ひでえな。笑)
演奏するたび停電を起こすバンドとか(笑)
けっこう笑えるところもある。
ドキュメンタリーではないけれど
映っているのはまさに
“知られざるリアル・イラン”というわけです。
音楽だけでなく映画撮影にも規制があるので
この映画もゲリラ的に撮られたそう。
しかも監督、
この映画のPRで来日する予定だったのに
パスポート問題でキャンセルになった。
まだまだ不自由な国ではあるんですね。
その意味で貴重な映画だと思うけど
残念なのは登場する音楽がもうひとつなのと
(NYで活躍中という
ラナ・ファルハンという人は、声だけだけどよかったな)
お話部分の出来が中途半端なこと。
「え?あの犬はどうなったの?」とか
散漫で不親切なつなぎが
生き生きした素材を邪魔してる感じでした。
でもイラン映画はいまけっこうキテるので
今後も注目ですよ。
★8/7からユーロスペースで公開中。ほか全国順次公開。
「ペルシャ猫を誰も知らない」公式サイト
しかし、
「牛小屋で練習して牛の乳を出なくしてる」
なんて、酪農家の人が聞いたら卒倒しちゃうだろうね。
牛さん、ストレスに弱いんだから……
石垣島を舞台にした「恋しくて」も
牛小屋みたいなところで練習してたような。
こっちは肥育牛だったかな? 生産牛だったかな?
かわいそうだから、牛小屋をスタジオ代わりにするのは
やめてあげてちょ~。
ははーん
「恋しくて」ね。
ビギンの自伝みたいな映画。
確かに
そんなシーンありましたかねえ。
よく覚えてますねえ。
大丈夫、この映画では
メンバーちゃんと
牛さんから反撃されますから。
意外な方法で。