「ホルテンさんのはじめての冒険」の
ベント・ハーメル監督の新作です。
「1001グラム ハカリしれない愛のこと」72点★★★★
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マリエ(アーネ・ダール・トルプ)は
ノルウェー国立計量研究所に勤める科学者。
彼女は生活の基準となる「計測」のエキスパートだが
人生はハカリどおりにはいかず
離婚し、殺風景な家で
一人でワイングラスを傾ける日々。
そんなとき同じ研究所に勤める
最愛の父が倒れてしまう。
父の代わりにパリでの重要なセミナーに
出席することになったマリエだが――?!
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映画の98パーセントは、
計量を仕事とするヒロイン・マリエの
四角四面で、味気なさそうで、無味乾燥な日々の描写が続く。
でも
最後の数パーセントで
温かみと有機的な雰囲気、人間味と、愛を添える。
これ、なかなかに粋なやり方だと思う。
「ホルテンさん~」も、定年退職の日に初めて遅刻する
マジメな鉄道員の話だったけど
この監督は、勤勉さを必要とするような職業と
そこで働く人の特性に
よほど興味があるのかもしれない。
日々の積み重ねの大切さ、マジメさをリスペクトし、
尊重しているからこそ
ときにそこから逸脱して得られるものの
輝きが増すんだと思うんです。
マリエが愛用しているちっちゃな電気自動車が
パリでの出来事のキーとなる設定も
1001グラムの意味がわかるシーンもよかったけど
ノルウェー国立計量研究所の
壁と壁に挟まれた狭~い「一服スペース」で
いつも一服してるマリエが
ある体験から、人生を吹っ切り
そのとき、夜空の星を見上げるシーンが
最高にいいな!と思いました。
★10/31(土)からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開。
「1001グラム ハカリしれない愛のこと」公式サイト
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