もともと公開ナシでDVD化の予定が
今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞で
急きょ公開となったそう。
アカデミー賞、貢献してるじゃないですか←アンタ何様?w
「インサイド・ ジョブ 世界不況の知られざる真実」72点★★★☆
日本経済にも多大な影響をもたらした
2008年のアメリカ金融危機。
その原因はなんだったのかを
政治学者であり
政府コンサルタントとしても活躍したっつう監督が
関係者にインタビューするドキュメンタリーです。
経済明るくない人間に(自分ですハイ)
「難しそう」と敬遠されるともったいないので
結論を言っちゃうと、
あの経済恐慌は
従来の金融システムの破綻だとか、事故だとかでなく
投資会社、政府、
さらにはそこからお金をもらって彼らをヨイショする
大学教授まで
すべての強欲者どもが
金融に無知な一般人をだまし、
自分たちだけが儲けた
巨大犯罪であったのだ!ということ。
そのことを関係者へのインタビューから
あぶり出す作品なんです。
本作の最大の特長は
監督自身がものすごい切れ者だってこと。
金融に明るくないマイケル・ムーアが
「キャピタリズム マネーは踊る」で見せたような
わかりやすさや、笑いはないけど
その攻撃力はある意味、彼以上に破壊的です。
だってこの人、
ソフトな口調と物腰で油断させ、
おそらく自分の知名度で
これだけのインタビューを取り付けたんだろうけど
冷静で的確な質問で
相手の弱点にまあズサズサと斬り込む斬り込む(笑)
インタビューで連れてきた相手に
「それは、違いますよね」とガンガン異を唱える、
ここまで攻撃的なインタビューアーは
初めて見たかもしれない。
だから彼ら(犯罪者側)のやったことの
中身がすべてわからなくても
監督の問いに含み笑いで答えたり
「なんだ、失敬だなキミィ!」と席を立ったりすることで
そいつがどんだけ悪いことをしたのかが
まるわかる、というのがおもしろいんです。
専門用語の説明などすっ飛ばし
逆にインタビューに駆り出されたスペシャリストたちの
たとえ話のわかりやすさに助けられるくらい(笑)
「それはね君、
『ヨイショ記事を書かないなら稿料を払わない』と言われた
記者のようなものだよ」
とか
「オバマも変革できなかった?だってアメリカ政府は“ウォール街政権”だもの」
とか。
見てると学者や大学生まで
アメリカ人って
どんだけ強欲なんだと、あきれ果てますね。
しかも
そのせいで起こった危機は
まったく他人ごとでない。
番長だって考えてみれば
雑誌の休刊が相次いだのは
リーマンショック以降だし、
リアルにとばっちりをいっぱい食っている。
その原因を作ったのが
こんなやつらだったなんて!
来週発売の『週刊朝日』(6/3号)ツウの一見で
森永卓郎さんに本作について
インタビューした記事が掲載されます。
とてもわかりやすく解説してくださってるので
ぜひ、読んでいただきたい!
森永さんはおっしゃってました。
「まずは、投資家とか、そういう人種を
“カッコイイ!”とか思うのをやめようよ」と。
まあ番長はハナから
何でお金を稼いでるかわからない方々は嫌いですが
でも
「頭よさそう」とは思うし
「何をしてるかわからない」から
「やられてても仕方ない」というふうになってるのは事実。
まずはそこから
ぶっつぶしていかないと!
いや~熱くなれる作品ですよ。
★5/21から新宿ピカデリーほか全国順次公開。
「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」公式サイト
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます