アンジェリーナ・ジョリー初監督・初脚本作品。
真剣で真摯な力作と感じました。
「最愛の大地」70点★★★★
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1992年、ボスニア・ヘルチェゴビナ。
多民族・多宗教の人々が共存するこの地で
ムスリム系の画家アイラ(ザーナ・マリアノヴィッチ)は
セルビア系の警官ダニエル(ゴラン・コスティック)と恋人同士だった。
が、4ヶ月後。
ボスニア紛争が勃発し、
ムスリム系の住民は強制的に連行される。
アイラもまた
女性ばかりを集めた収容所に行くことに。
そこは
セルビア兵士が収容された女性を好き勝手にレイプする
異常な環境だった――。
そこでアイラは、敵となってしまったダニエルに再会するが――。
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女優アンジェリーナ・ジョリーの初監督・初脚本。
ボスニア紛争をテーマにした作品というと
「サラエボ、希望の街角」(いい映画!)
などがありますが、
外部の、しかもハリウッドセレブが
このテーマを扱うとあって
監督は脅迫や相当嫌な目にあったそう。
それに屈せず、作りきった作品です。
アンジー、強ええ……。
セレブがちょっと手を出したとかとは
別次元にある、その本気っぷり。
ひれ伏すと同時に
ブラピもこれはついて行きたくなるよなあと思ったりもする(笑)
そして映画には
ロシアのニキータ・ミハルコフ監督とか、
欧州の戦争映画を思わせる光と空気の硬質さが徹底して感じられ、
何も知らずに観たとしても、
「誰の目をも、この現実に起こった悲劇から反らさせないぞ!」という迫力を
持っていると思います。
キツい流血などの描写なくても
紛争の悲惨さと深い悲しみ
想像を絶する当時の状況の緊張感を保っているのもいい。
まったくもって最近の出来事なのに
こんな痛ましいことが起こっていたのか――と改めて突きつけられ、
直視するのはやはりつらいですけどね(泣)
見なきゃならんでしょう。
真摯さ生真面目さが、ヒットにつながるとは限らないけど
応援したいと感じます。
あと、特に詳しい説明なしなので
ボスニア紛争について、多少の予習は必至かもしれません。
★8/10(土)から新宿ピカデリーほか全国で公開。
「最愛の大地」公式サイト
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