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炭焼き母ちゃんの奮闘記
スローライフ・エコライフ・エンジョイライフ

単純作業

2021-02-12 10:17:14 | 炭にまつわる、いろいろ

前回の投稿『今頃ですが…何で?!』に書いた一文。

  ねらしの合間は、釜でウォークマンでBGMを流して、研磨炭のふるい作業をする。
  単純作業なので、頭の中では色々考え事ができる。

この”単純作業”について、今回詳しく説明をしてみる。

主人は、かれこれ20年くらい前、紀州備長炭を焼くかたわら、数年にわたって6月と10月に約1ヶ月間、福井に行っていた。
そこで、今は亡き人間国宝の東氏の指導の下、”研磨炭”の焼き方を習っていた。

研磨炭とは…
別名、駿河炭とも言らしい。元々は駿河、静岡で焼かれていたようだ。
原木は、油桐(あぶらぎり)
漆工芸に使う。
塗面の研磨に必要、と言うことは、独身時代に金沢を旅したときに見知ったような気がする。
鍋磨きには、クレンザーを使うよりも、研磨炭で磨いた方がズッと手軽にピカピカになる。


原木は、備長炭と違って、2年以上ねかしてから…と聞いた。


研磨炭。
焼け具合の善し悪しは、私にはわからないが、この小さい破片でも鍋磨きには十分
また、着火炭として、この破片を新聞紙や紙袋に入れて、その上に備長炭を置いて、火をつければ、いこすのは簡単
炭いこしの下手な私でもほぼ成功するくらい、火付きが良い炭だ。
ただし、最近は稀少品ゆえ、持ち帰らせてもらえないでいる

この炭を粉状にする機械にかけて、粉炭にする。 ・・・ここまでは、主人担当。


それを篩い器にかける。 ・・・これが、単純作業なのだ。
細かいメッシュを通って、出来上がった粉炭は、クッキーやケーキを作るときに篩った小麦粉以上にしっとりさらさらのパウダー状となる。
38×
32cmのビニール袋に1kg入れていく。もちろん、最終は秤にかけるが、目安は7~8分目くらいだ。

これは主に漆工芸を取り扱っている店に卸されている。
塗り面を磨くなら固形の方だろうに…といつも不思議に思いながら篩っていた。

疑問を解消すべく、5年くらい前、東京に出かけた折、卸しているお店を訪ねてお話を伺ってきたことがある。
粉炭は、埋め込んだり、盛り上げる為に使用するらしい。
実際に見てみたかったけれども、アポなしで伺ったのもあって、さすがにそれは叶わなかった

1時間ふるいにかけて、1kgくらいしか出来ない。
これが、毎日続くのであれば話は別だが… たま~に、ウォークマンでBGMを流しながら、ただただ単純作業で無心になれるのは、私としては嫌いではない。
右手は刷毛を動かしながら、いろ~~んな考え事をしている



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