25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

岩盤規制のことなど

2019年01月25日 | 映画
 夜は「サピエンス異変」を読み、うとうとと寝てしまってなかなか進んでいかない。昼はテニスのない日は「日本を亡ぼす岩盤規制」という威勢のいい「上念 司」という経済ではリフレ派支援、市場原理主義自由経済支持の著者で、政治的には安倍政権に期待する人である。
 財務省の増税希望を斬り、銀行の審査能力なしを斬り、テレビ局の放送利権を解説し、農業政策では兼業農家への補助金をやめて、自由にせよ、と言い放ち、保育園を幾つ作っても待機児童はなくならないと言い、過剰な検査、多すぎる薬の処方の病院をぶった斬り、NHKを金満体質と、やりたい放題の朝日新聞大批判。
 痛快なところも多々ある。雑な論理を展開するところも多々ある。「誰もお金を使わなければ、だれも収入を得られない」という言葉使いは大げさに比喩っても乱暴すぎる。
 市場原理主義のいきつく先はグローバル化であり、その行き着く先の結論は今すでにアメリカに出ている。8人の富は地球上の半分の人口の富と匹敵するということだ。儲かっていれば役員報酬などいくらとってもいいということだ。
 失敗を許さない銀行批判などは大いにやってもらいたい。日清食品の創業者「百福さん」とて、信用組合の理事長を退任して以降、銀行との付き合いは一切しなかったというからこの銀行の体質は今も変わっていないのだろう。信用調査会社のブラックリストに載れば終わり。あらゆる金融サービスが受けられなくなる。日本はこれだから停滞するのだ、と嘆く人も増えてはいると思う。豊かな縮小社会にしていくためには七転八起の精神と再生ができるシステムを日本が整えることが必要だ。
 庶民というのはそれは宝クジを買って一攫千金を夢見ることもあるが、それでも十億円の年収などいるか、と思うのは当たり前だろう。「分かち合うのが人生さ」と桑田佳祐もよく言ったものだ。

 いやはや、では大坂なおみが獲得する生涯賞金とスポンサー料はいくらになるか、きっと100億を超えるだろうと言われている。チームで稼ぎ出すのだろうが、大坂なおみは主演である。こういうことには素直に感嘆し、疑問もないのだが、会社経営、株、為替差益となると、テニス賞金などと同レベルで考えられないのである。一方は社会を構成する企業である法人。生産、加工商品、サービスなどの提供で社員のそれぞれの役割で運営されるもにである。社長もその役割の一つのポジションに過ぎない。社会的役割は大きい。大坂なおみはチームで動いているのは同じだが、賞金をとりにいくゲームの主役である。庶民が宝くじを買うのと同じようなものであり、罪はなし、搾取もしない。
 大坂なおみがさらに節度があり、浮かれた女性でないならば、賢明なお金の使い方をするのだと思う。さて、明日が決勝だ。