老い先短くなったと言う叔父本人の弁で
気になるという場所に
おいらが車でを案内してまわっている
今回は伯父にとっては従兄の家に行こうという
そこは岡山市足守にある守福寺で早くに夫である住職を亡くし
大婆は我が家の隣に出戻ってきて天寿を全うしたが
その大婆の子らは今も守福寺の側で国指定文化財守福寺宝殿を
守っているのだ
明治初め廃藩置県の煽りをくったかたちで
足守藩の家老や家臣たちは藩主と共に東京に移ったため
元々木下家分家や家老はじめ藩士の菩提寺であった守福寺は
いっきに檀家をなくし衰退してしまった
そんな訳で今では打ち捨てられ寺は朽ち果てて見る影もない
おいらも爺婆から訊いてはいたが初めて守福寺を訪ねた
叔父の従兄弟は寺の跡近くで小さな鉄工所を営んでいた
我々の突然の訪問にも関わらず歓待を受け石造りの守福寺宝殿と
寺跡の案内をして頂き歴代住職の墓に参り
昔話に花を咲かせて帰ってきた
国指定文化財の銘板は残念ながら錆び朽ちて判別できなくなっていた