早朝、すでに流れの悪い東名高速で「富士」へ飛び、
他県ナンバーのひしめき合う富士宮道路をただやり過ごし、
ようやく御坂トンネルを越えて山梨に入った時は
すでに9時をまわっていた。
山梨英和大学にむかうスクーターの女子大生共に煽られながら
石和温泉の街外れから西関東道路に入り、
国道140号線「雁坂みち」を行く。
道の駅「はなかげの里まきおか」に辿り着く頃
ようやくクルマも減り、思うような流れも出てきた。
日差しは今日もキビしい。
オロナミンCで「元気ハツラツ」したあと、140号をさらに北上する。
〇
雁坂峠は現在のトンネルが開通するまで未整備の国道で、
登山道様のトレールが国道指定されていたと云う事だけど、
1998年の雁坂トンネル完成以後、
甲州と北関東を結ぶ秩父往還としての役割を現代に取り戻したようだ。
とは云ってもそこは現代土木。
地形の複雑さなど一切無視して空中を突っ切って行く。
サーッと行って、スーッと走り抜けちまって、それ程の感慨もない。
それよりも、その先の三峰山辺りの街道筋の方が、
かつての秩父往還の面影を彷彿とさせるクラシックルートで
走っていてとても楽しい行程だったね。
〇
今日の折り返し点はココ
「バイクの森おがの モーターサイクル・ミュージアム・おがの」
すごく保存状態の良いオートバイばかりで、見ていて飽きなかったね。
とても魅力的な造形が多くて、機械の美しさはやはりその機能を追求した先にあるんだと感じたよ。
R50のこのシート、座ってみたいーーー!!!
このクラシックボクサー、フレームにタンクが吊下されてる。
でもボクが今回いちばん気になったのがコレ。
ヘスケス卿が自分の為に作ったと云われているオートバイ「ヘスケス」
タンクのエンブレムが「ニワトリ」
ボクだったら「カラス」だな、って似たようなもんか。
それにしてもオートバイで町おこしと云うわりに、イマイチしょぼい。
行政主導だから、とかオートバイへのイメージの悪さとか、
なんだか腰が引けてる感がじわーっと町全体に漂ってる。
バイクの森にしたって、もっとオートバイが集まってるのかと思ったらそうでもない。
今日日、週末の道の駅の方がオートバイであふれてるよ。
何かもっとやり様があるんでないかい?
キャンプが出来たり、のんびりくつろげるような木陰の広場を作ったり、
オートバイメーカーごとに集まれるようなパーキングを作ったり、
ミュージアムもスペースに限りがあるのは理解出来るけど
もっと1台1台じっくり見られるようなレイアウトに工夫がほしい。
だいたいミュージアムなのに目録本さえ作ってない。
綺麗で詳細な写真入りの解説本なら絶対買って帰るよ。
話はでかいけど、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードみたいなモーターイベントが日本にも欲しいね。
やっぱオートバイが好き過ぎて、力入っちゃうから文句が増えるね。
でも試みは面白いと思うし、いちオートバイ乗りとしては期待を込めてあえて云わせてもらいましたよ。
(失礼しました、でも頑張ってください)
〇
小鹿野からは国道299号線で
志賀坂峠・十石峠・麦草峠と次々と険しい峠を越えてきた。
小鹿野町の境にそびえる石灰岩の岩峰「二子山」は荒々しい。
とても美しいシルエットで思わず見とれてしまう。
頂上付近の絶壁はロッククライミングの対象であるらしい。
さらに西へ進むと「十石峠」越えの国道はあまりルートとしては一般的ではなくなる。
県道45号線で下仁田へ出て、そこから国道254号線を行く方が一般的だ。
現に大型車の通行は出来ないし、路肩の崖がせり出している個所があるので
3メートル以上の車高がある車両は物理的に通行が不可だ。
でも初めにググっと高度を上げると
峠までは上空の開けたスカイラインのようになりけっこう気持ちが良い。
十石峠は1351m。
さっき見上げた二子山の頂は1166mなので、そこよりさらに高い。
さすがに空気はひんやりと涼しくて快適だったよ。
峠にある立派な展望台からは秩父の山並みが展望できるけど
この日はあいにく霞んでいて、妙義山の不気味な山容がようやく見えるくらいだったね。
この先佐久平に下りて、八千穂高原へ駆け上がる。
クルマは意外に少なくて、気持ち良くワインディングを楽しめた。
八千穂はその入口ですでに標高が1000mなので
気温は、「涼しい」から「寒い」に変わるくらいひんやりしている。
いつまでも暑さが続く今年の夏も、高原ではしっかりと秋が始まっていた。
女郎花が黄色い花を満開にしていたし、桜の木はすでに落葉を始めていた。
八千穂の白樺林もちょっと緑が褪せ始めているように感じたよ。
かつての国道最高点「麦草峠」
今日の最高到達地点2127m。
あの二子山が二つ分の高さだ。
峠をクネクネ700km。
標高の高いところが多かったせいか、とても楽に走り切れたよ。
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