アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

新着ジュウタン~フジコ・ヘミング「ベスト&レア」

2024年08月27日 | 音楽三昧



先にお亡くなりになったフジコ・ヘミングさんの「ベスト&レア」を聴いた。

彼女の演奏にはいつも、不遇の時代を背負ったある種の哀しみと傷みを感じさせる。このアルバムも例外ではない。

その意味もあってか、初めてのライヴコンサートだったか、音に馴染めず途中退席してしまった記憶がある。

収録曲

 ショパン 練習曲 第12番 作品10-12「革命」
 ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
 リスト ため息/泉のほとりで/ラ・カンパネラ/ハンガリー狂詩曲 第6番/慰め 第3番/パガニーニによる大練習曲/鬼火  
 モーツアルト コンサート・ロンド ニ長調 K.382

演奏

 イングリット・フジコ・ヘミング(ピアノ)
 イギリス室内管弦楽団(コンサート・ロンド)

録音 1973~2007年 イイノホール・他 ユニバーサル ミュージック UCCD1294

 

記事は、本日付け朝日新聞道内版から転載しました。

 

 

 

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新着ジュウタン~カティア・ブニアティシヴィリ「シューベルト:ピアノ作品集」

2024年08月19日 | 音楽三昧



昨日ご紹介した稲垣さんの「老後とピアノ」で語られたカティア・ブニアティシヴィリによるシューベルトの「即興曲第3番」を聴いた。

彼女(稲垣さん)はこの演奏にほれ込み、自らもこれを弾くべく練習に励んだとおっしゃるが、小生は従来、カティア・ブニアティシヴィリがシューベルトを演奏することに違和感があった。

結果、このアルバムを聴くことはなかったのだが、今回聴いてみて彼女が惚れこむのも無理ないと思った。

つまり、演奏技術とかの問題ではなく、カティア・ブニアティシヴィリのこの曲に込めた魂のようなものがわかったからである。それは、いらだちを覚える現代にあっても希望を捨ててはならないというメッセージであろう。

さらに、ボーナストラックにある歌心あふれる(リスト編曲の)「セレナード」がすばらしい。

収録曲 シューベルト

 ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
 4つの即興曲 Op.90 D.899
 セレナード(リスト編曲)S.560

演奏

 カティア・ブニアティシヴィリ(ピアノ)

録音 2018年12月 オーストリア マルクス・シティクス・ザール Sony Classical 19075841202

 

 

 

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新着ジュウタン~グレン・グールド「ゴルトベルク変奏曲」

2024年08月10日 | 音楽三昧

 

クラシックファン周知の歴史的、人類遺産的名盤である。

特に、このアルバムでは、彼のデビューを飾った1955年のモノラル録音と、最晩年の1981年にデジタル録音された楽曲とが収容されている。

つまり、聴き比べが出来るのだが、デビュー時(23歳)のそれは、青年らしい溌溂とした中にも精緻なテクニックの光る好演である。

1981年のテイクは、厳粛な雰囲気に包まれゆったりしたテンポの中に、彼の人生が色濃く投影されたものとなっている。

収録曲 J.S.バッハ

・ゴルトベルク変奏曲 BWV988(1955年、モノラル)
・ゴルトベルク変奏曲 BWV988(1981年、ステレオ・デジタル)

演奏

 グレン・グールド(ピアノ)

Sony Classical 8872541182 輸入盤

 

 

 

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新着ジュウタン~ヤン・リシエツキ「ショパン:練習曲集」

2024年07月24日 | 音楽三昧

 

ヤン・リシエツキは、ポーランド系カナダ人ピアニスト。十代(17歳)で練習曲集をDGへ収録したのはポリーニに次いで二人目という悦材。

本邦では無名だが、音楽を聴く限り才能豊かなアーテイストであることがわかる。

若さあふれる多感なショパン像が垣間見え、他方、切れ味鋭いタッチと絶妙な甘さを含んだ演奏に納得する。

収録曲 ショパン

 12の練習曲 Op.10
 12の練習曲 Op.25

演奏

 ヤン・リシエツキ(ピアノ)

録音 2013年1月 トロント王立音楽院ケルナー・ホール、ユニバーサルミュージック UCCG53111

 

 

 

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何者?

2024年07月19日 | 音楽三昧

 

拙宅のリビングの片隅に置かれたこの物体は何者?

側面の表示から、AC 100Vを2倍の200Vに昇圧するための変圧器のようだ。

つまり、部屋に1ヶしかない200Vコンセントを(新設の)エアコンに奪われてしまったため、その代替として(オーディオ用に)準備したもの。

拙宅のオーディオはノイズの少ない200Vを使用し、専用のトランスで100Vに変換して使用しているが、夏の間の代替コンセントとなる。

勿論、100V系だからノイズの点では劣るのだが、やむを得ない。

蛇足~秋口になったら(200Vコンセントは)オーデイオへ戻すことになる。

 

 

 

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新着ドーナツ~クイケン四重奏団「ハイドン:弦楽四重奏曲作品74」

2024年07月15日 | 音楽三昧

 

何の気なしにラックから出して来た古いドーナツを聴いた。
それがまた、今の(年寄りの)気分にピッタリのすばらしい曲集であった。

ハイドンは、生涯で67曲もの弦楽四重奏曲を作曲したというが、いずれも小気味よく親しみやすい曲が多い。

曲想から「ひばり」とか「皇帝」とかニックネームのついたが曲がいくつもある。

この作品74は3曲の四重奏曲から成り、第74番は「騎士」というニックネームを持つ。なにか颯爽とした騎士の風情が感じられる曲である。

クイケン四重奏団は、1971年にベルギーの古楽バイオリニストのシギスヴァルト・クイケンを中心に結成された。

収録曲 ハイドン

 弦楽四重奏曲 第72番 ハ長調 作品74-1
 弦楽四重奏曲 第73番 ヘ長調 作品74-2
 弦楽四重奏曲 第74番 ト短調 作品74-3「騎士」

演奏

 クイケン四重奏団

録音 2001年11月~02年4月 Denon COCQ83624

 

 

 

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新着ジュウタン~千住真理子「ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集①」

2024年07月06日 | 音楽三昧

 

2020年のベートーヴェン生誕250周年を記念して制作されたヴァイオリン・ソナタ集第1巻。

ベートーヴェンが生きた時代に存在していた千住氏秘蔵のストラディヴァリウス「デュランティ」の美音を堪能できるソナタ・シリーズ。共演は、重鎮の横山幸雄氏。

収録曲 ベートーヴェン

 ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ニ長調 Op.12-1
 ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 Op.12-2
 ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 Op.12-3
 ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 Op.47「クロイツェル」
 ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調 Op.96

演奏

 千住真理子(ヴァイオリン)
 横山幸雄(ピアノ)

録音 2019年6月 笠懸野文化ホール ユニバーサル ミュージック UCCY1101

 

 

 

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新着ジュウタン~ユンディ・リ「モーツァルト:ソナタ・プロジェクト」

2024年07月01日 | 音楽三昧

 

久しぶりに新しいアルバムをリリースしたユンディ・リ。

2000年のショパン・コンクールに優勝した彼はショパンやリストを得意とし、その流麗なタッチを披露していた。

以来、20数年を経て聴くモーツアルトは、生真面目な訥々とした音楽だったから、少々拍子抜けした。

ただ、伊達に歳をとってはおらず、この深淵なモーツアルトは、彼が現在到達しえた新たな境地ではと思った。

10月の札幌Kitaraでのリサイタルも、たぶん同じプログラムになるのではと楽しみにしている。

収録曲 モーツァルト

 ピアノソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」
 ピアノソナタ 第 8番 イ短調 K.310
 幻想曲 ハ短調 K.475
 ピアノソナタ 第14番 ハ短調 K.457

演奏

 ユンディ・リ(ピアノ)

録音 2023年11月 ザルツブルク、モーツァルテウム Warner Classics 5419793485

 

 

 

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新着ジュウタン~ユジャ・ワン「ウイーンリサイタル」

2024年06月25日 | 音楽三昧

 

本年2月、第66回グラミー賞「最優秀クラシック器楽ソロ」部門を受賞したユジャ・ワンの「ウイーンリサイタル」アルバム。

リゲティやカプースチンなど超絶技巧を要する曲に加え、マルケスなどのラテン調の作品等、日頃耳にすることのない作品が含まれています。

なかなか耳に馴染むまでは時間がかかりましたが、こと彼女の演奏技術の多彩さは堪能することができました。

収録曲

 アルベニス:組曲「イベリア」第4巻~第10曲「マラガ」& 第3巻~第9曲「ラバピエス」
 スクリャービン:ピアノソナタ第3番嬰ヘ短調 Op.23
 カプースチン:ジャズスタイルによる24の前奏曲 Op.53
 ベートーヴェン:ピアノソナタ第18番変ホ長調 Op.31-3「狩り」
 リゲティ:ピアノ練習曲集~第6番「ワルシャワの秋」& 第13番「悪魔の階段」
 フィリップ・グラス:練習曲 第6番
 マルケス:ダンソン第2番(レティシア・ゴメス=タグレ編、ピアノ版)
 ブラームス:間奏曲 第3番嬰ハ短調 Op.117-3
 グルック:精霊の踊り(歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より)

演奏

 ユジャ・ワン(ピアノ)

録音 2022年4月 ウィーン、コンツェルトハウス ユニバーサル ミュージック UCCG45093

 

 

 

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新着ジュウタン~ムター「バッハ:ヴァイオリン協奏曲集・ 他」

2024年06月14日 | 音楽三昧

 

Amazon Music でバッハとグバイドゥリーナの協奏曲を聴いた。

本邦でもリリースされていたようだが、通常、ここまで手を伸ばすことはないから、AMならではのアルバムと言って良い。

バッハの2曲の協奏曲は、ムターの思い入れがあるのか、音の切れと言い旋律の歌わせ方と言い、すばらしい仕上がりとなっている。

ソフィア・グバイドゥーリナは、ソ連邦タタール自治共和国出身の現代音楽の作曲家だが、この曲を聴く限り違和感はない。


収録曲

 J.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041
 J.S.バッハ ヴァイオリン協奏曲 第2番 ホ長調 BWV1042
 グバイドゥリーナ ヴァイオリン協奏曲 ≪今この時に≫

演奏

 トロンハイム・ソロイス(バッハ)
 ロンドン交響楽団 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)
 アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)


録音 2008年1月 ユニバーサル ミュージック UCCG1404

 

 

 

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