2019年上半期第161回直木賞候補作。
第32回山本周五郎賞受賞、光文社刊、244頁。
「もう若くはない(50代の)男と女のリアルな恋。今を生きる、この場所で生きる」との挙げ句が踊る帯。
正直よくわからないまま読み終えた。
それはたぶん、この不幸な過去を持つ男女の設定が、小生らの日常生活とはかけ離れたものだったからではないか。
これが、選者の評価が分かれる原因にもなったのではと思われる。
選者評:林真理子氏
「不運のうちに生きてきた中年の男女が、少しずつ距離を縮めていく過程が、実にこまやかに描かれている。何よりも文体が素晴らしく、抑制がきいていながら不思議なリズムがかすかに聞こえてくる。しかし選考会では思いの外、票を集めることが出来ず非常に残念であった。」