新型ウイルスによる肺炎患者の急増から、中国・武漢市では、鉄道、航空路を遮断して伝染の拡大を防止することにしたとのニュースが流れている。
これを聴いて、まるで「ペスト(カミュ)」の世界ではないかと思った。
つまり、小説は、1930年代のアルジェリア・オラン市で発生したペストの対策として、数ヶ月間にわたり鉄道、道路、海路のすべてを遮断して人や物の往来を禁止、ペスト菌の拡散を防止した顛末を描いている。
その際の市民の困惑と悲愁、団結と協力、医療従事者たちの闘いを坦々と描いているのだが、小説の舞台が人口数万人の港町なのに対し、今回の武漢市は、周辺部を含めると1,000万人を越す大都会である。
また、春節を迎えて人々の往来が急激する時期だけに、その趨勢が注目される。写真は、毎日オンラインから拝借しました。