自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★コロナショック 能登の「でか山」中止に

2020年04月03日 | ⇒ニュース走査

   能登を代表する祭りと言えば、七尾市の「青柏(せいはく)祭」だろう。「でか山」と呼ばれる高さ12㍍もある巨大な山車が街を練る光景は実に壮観である=写真=。毎年5月3日から5日にかけて行われる祭礼でゴールデンウイークの目玉のイベントでもある。そのでか山の運行が今年は中止されることが決まった。

   祭礼の神事は執り行われるが、メインイベントの曳山行事が取り止めとなる。新型コロナウイルスの感染拡大を懸念しての措置だ(七尾市役所ホームページ)。和倉温泉も近くにあり、毎年10万人余りが見学に訪れる。ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統行事でもある。開催地としては苦渋の決断だったに違いない。このニュースを知って最初に思ったことは、「能登にはコロナウイルスの感染者は出ていないので、規模を縮小してこじんまりとやればいいのではないか」と。オール・オア・ナッシングで中止する必要はないのではないか、と。

   自らの考え違いに間もなく気が付いた。高さ12㍍、重さ20㌧もある山車3台を長時間にわたって動かすのは地域の住民だけではない。この祭りを楽しみに県内外の出身者も大勢が帰郷して曳き手に加わっている。実際、こうした有志がいないと巡行は難しい。かといって、3台のうち1台だけを地元の人たちで、しかも無観客で動かすというのは祭りの趣旨にそぐわない、ならばいっそうのこと中止に、という判断だったのだろう。

   能登の祭りだけではない。新型コロナウイルスの脅威はどこまで波及していくのか。

⇒3日(金)夜・金沢の天気    はれ

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