自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★大型連休 耐え忍んでコロナを払う

2020年04月25日 | ⇒メディア時評

   きょうは大型連休の初日。例年なら金沢市内の兼六園や武家屋敷などは観光客でごった返すが、市内の中心街も閑散としていた=写真・上=。商店街の多くがシャッターを閉めていた。この大型連休は新型コロナウイルスを封じ込める正念場とも言える。

   金沢の観光名所の一つにもなっている「忍者寺」で有名な妙立寺の前を通ると、「一般の方の拝観を休止します」の貼り紙がしてあった=写真・中=。江戸時代の初期に加賀藩は幕府と緊張状態にあったことから、この寺を出城として造らせたという言い伝えがある。何度か入ったことがあるが、ガイド嬢の説明が面白かった。寺の井戸が金沢城に続く抜け道になっているとか、掛け軸の裏にある隠し扉、床板を外すと現れる隠し階段など凝った仕掛け。外観は2階建てのように見えるが、実際は7層構造で階段が29もある迷路になっている。海外でも忍者ブームで、忍者の装いをした子供をともなったインバウンド観光の家族連れを見かけたりする。

   能登の和倉温泉、老舗旅館「加賀屋」もあさって27日から休業に入ると報じられている(25日付・北陸中日新聞)。県内のグループ合わせて5館で27日以降の予約受付を停止する。大型連休に営業すると、客が来るので人の流れをつくってしまう。これは人の流れを最小化する政府方針に逆行することにもなり、感染防止に協力するかたちで予約をストップする。加賀屋は「もてなし」の質の高さに定評があり、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(主催・旅行新聞新社)で36年連続総合1位に輝いている。

   石川県内の感染者はきのう現在で222人となった(県発表)。人口10万人当たり感染者は石川県19.6人と、東京都26.8人に次いで多く、大阪府16.0人と続く(25日付・北國新聞)。妙立寺の近くに「コロナに負けるな!」と記されたのぼり旗が立ててあった=写真・下=。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が今月16日に7都府県から全国に拡大され、石川県は「特定警戒県」に指定された。耐え忍んで邪気を払う。県内はまさにそんな雰囲気だ。

⇒25日(土)午後・金沢の天気   はれ

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