自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★In the pocket of China

2020年04月09日 | ⇒ニュース走査

   新型コロナウイルスによる世界全体の感染者数が150万人を超え、死者は8万7000人以上となったと報じられている。そこで、WHOのホームページをチェックすると。8日のテドロス事務局長の記者会見の発言内容が掲載されていた。

「Tomorrow marks 100 days since WHO was notified of the first cases of “pneumonia with unknown cause” in China.It’s incredible to reflect on how dramatically the world has changed, in such a short period of time.」(意訳:中国で「原因不明の肺炎」の最初の症例がWHOに通知されてから、あすで100日目となります。 このように短期間で、世界がどれほど劇的に変化したかを振り返ると驚くべきことです)

   記者会見の冒頭のコメントだ。率直に違和感を感じた。1月下旬は中国の春節の大移動で、フランスやオーストラリアでも初めての感染者が確認されるなど世界的に感染拡大の兆しが見え始めていた。にもかかわらず、1月23日のWHO会合では、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を時期尚早として見送った。WHOが緊急事態宣言を出したのは1週間遅れの30日だった。中国以外での感染が18ヵ国で確認され、日本をはじめアメリカ、フランスなど各国政府が武漢から自国民をチャーター機で帰国させていた。なぜWHOは23日に宣言を見送ったのか、中国に配慮して「武漢ウイルス」を国際的に宣言するのをためらったのはないか、との疑念が残っていた。

   この会見の後、記者との質疑の掲載はないが、世界のメディアがその様子を報じている。アメリカのトランプ大統領が新型コロナウイルス感染症へのWHOの対応が「中国に偏っている」と批判していることについて、テドロス氏は「われわれは全ての国に寄り添っている」と述べ、特定の国への配慮などは行っていないと反論した(9日付・共同通信Web版)。

   テドロス氏の反撃もあった、トランプ大統領の名指しはしなかったが「さらなる死者の増加を望まないのであれば、政治問題化するのは、やめてほしい」と主張し「(WHOの)われわれも人間なので間違うこともある」としながらも、WHOが「最新のデータや情報、根拠などを世界に提供してきた」と、感染拡大防止に尽力してきたと訴えた(同)。言い訳がましさを感じないだろうか。

   テドロス氏の冒頭の会見の模様は、ユーチューブ動画で公開されている=写真=。批判のコメントが続々と。「WHO cannot be trusted in they’re in the pocket of China. Pathetic gentlemen, very sad state indeed.」(WHOは中国のポケットにいるため、信頼できない。哀れな紳士、確かに悲しい状態)

⇒9日(木)朝・金沢の天気     はれ

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