自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆コロナ的な常識 胃カメラは鼻から入れず

2020年04月24日 | ⇒ドキュメント回廊

   先日(22日)金沢市内の病院で胃カメラの検査を受けた。胃カメラを口からではなく、鼻から入れてほしいと頼んだ。すると看護師が一瞬身構えるように「当病院では鼻からの内視鏡検査は当面行わないことにしています。鎮静薬を注射して口から入れさていただきます。ご理解をお願いします」と言う。口からだと激しい吐き気をともなうので、これまで何回か左の鼻から入れてもらっていた。「なぜ、鼻からはダメなの」と聞き返した。

   病院では口からの胃カメラのことを「経口内視鏡」、鼻からの胃カメラのことを「経鼻内視鏡」と言っている。鼻からのチューブはやや細い。経口内視鏡は人体の防御反応による激しい吐き気をともなうケースがあり、最近では経鼻内視鏡での検査を希望する人が増えているそうだ。ところが、猛威をふるっている新型コロナウイルスは鼻の奥で多く増殖しているとされ、PCR検査も専用の綿棒を鼻から入れる。では、なぜ鼻から胃カメラを行わないのか。鼻から内視鏡を出し入れすると検査室にウイルスが飛び散る危険性があるというのだ。要は医療従事者への感染を防ぐ措置ではある。「ご理解ください」の意味が分かった。

   鎮静薬を注射して間もなく睡眠状態に入った。「終わりましたよ」の看護師の声で目が覚めた。吐き気も痛みもまったくない。案内された別室のベッドで再び眠りについた。30分ほどで目覚める。鼻の奥にある嗅覚細胞がウイルスに感染することで嗅覚障害が起こるとの説明を思い出し、室内の匂いを意識して嗅いでみる。院内独特の薬品のような匂いがして、鼻は健全だと確認して安心した。

   石川県で初めて新型コロナウイルスの罹患が確認されたのは2月21日のことで、あれから2ヵ月余り経った。罹患した50歳代の男性が前の17日と19 日にこの病院で受診していて、連日この病院のことがメディアで報じられた。それ以来、病院では感染予防に積極的な対応を取っている。検査室前の待ち合いのイスも間隔を空けて座るように工夫がなされている=写真=。

   検査後、医師の問診があった。体温の話をした。というのも、病院に入って内科のカウンターでコロナ感染予防のためと体温計を渡され3回測ったが、いずれも34度後半だったことを伝えた。医師は体調不良がなければ様子を見ましょう、ということになった。最後に「でも、コロナではなさそうですね」と。確かに、このご時世では高体温がむしろ怖い。

   一方で体温が下がると免疫力も低下するとも言われた。そこで、スマホで体を温める食材を調べ、帰りに病院近くのスーパーでキムチを買った。普段そのような思いでキムチを求めたことはない。日常でコロナ対策が常識化しつつある、ということか。

⇒24日(金)朝・金沢の天気    くもり時々あめ  

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