花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

大汝牟遅神社 「たじまどん」 2014/03/09 (日置市吹上町)

2014-03-10 17:32:04 | 祭り・伝統行事
「たじまどん」は、春先に鹿児島県内各地の神社に奉納される豊作祈願のお祭りの一つです。大汝牟遅(おおなむち)神社の祈念祭祭典後、11時過ぎから社殿前庭を斎田と見立て、秋の豊作を祈願して、田起こしからモミ蒔きまでの所作を農夫や牛に扮した氏子が方言で面白可笑しく、30分ほどかけて演じました。初めて行った祭りでしたが、前の宮司さんが神事や祭りのことについて最後まで詳細な説明をしてくださり楽しみました。

奉納された貝殻と浜砂 全国的にも珍しい


神事が終わり日置市長さんのあいさつ


神社でいただいた資料によると、このお祭りは、島津日新公(島津忠良 1492-1568)が祈念祭の日、大汝牟遅(おおなむち)神社の境内で、久多島(吹上浜沖に点在する小さな島)にゆかりの、天智天皇の妃と皇女の慰霊祭を執り行ったことに由来するもののようです。

久多島 2014/02/12 日置市日吉町天神ヶ尾海岸から 手前は海鵜


「たじまどん」(田島殿)の意味は、
久多島の久は、苦しいとか、苦につながると言う事で「久」(苦)を取り田島にし、また、田島殿の「田」は、祈念祭が田起こし等の田に関係する祭典の為、「多」を「田」に変え、「島」は久多島の「島」の意味だそうです。田島殿の「殿」は、天子、皇后、皇族、神仏等への敬称です。

田起こし作業半ば 嫁のお茶で休憩


オリンピックの話題でカーリング(南瓜)が登場 笑いが巻き起こる


休憩を終えて田にカシキ(刈敷 肥料として田にすき込む)を撒きます


田を3周せよと、こき使われる牛


牛が暴れだして農夫に逆襲


牛は中ほどに盛られた浜砂を撒き散らす


八手の実と竹筒


ここで、暴れる牛にむけて子供たちが八手の実を竹筒で吹きかけ応戦するところですが、子供たちが少なくて、あまりその様子が見られなかったのは惜しいところでした。

耕された田に宮司さんがモミを蒔きます


氏子がピーナツとお菓子を配る


配られるトッノコ


トッノコは(歳徳神=新しい年の初めに豊かな実りをもたらす神)と言われる小さなおにぎりです。



最後には温泉入浴券、お茶、焼酎が各10本当たる抽選会があり、私も大いに期待しましたが外れました。愉快な農耕劇を楽しんで、トッノコもいただきました。神社の皆様と氏子さんにはお世話になり、ありがとうございました。

12時前、風の出てきた境内では掃除が始まりました


今回訪れた大汝牟遅(おおなむち)神社では「たじまどん」以外にも
6月第三日曜日 御田植祭 田植踊り、刀踊りの奉納
8月28日または29日  伊作太鼓踊り奉納
11月23日  秋祭り 流鏑馬奉納(薩摩半島ではここだけです。)の祭典及び奉納行事があります。勇壮な伊作太鼓踊りのブログ記事はこちらです。



神社の南側には楠の大木が茂る「千本楠」があります。CM撮影も行われた緑一杯の場所です。名称と違って本数は少ないのですが、逞しく枝を広げた楠の群は一見の価値があります。緑が濃くなる大型連休の頃がお勧めです。
コメント (2)
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