花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

ベッコウトンボ 藺牟田池の春 2014/04/25 (薩摩川内市)

2014-04-28 17:51:45 | 自然観察
薩摩川内市祁答院町(けどういんちょう)の藺牟田池(いむたいけ)はラムサール条約登録湿地帯です。周囲を450~500mの外輪山に囲まれた火口湖で、外周道路はおよそ4km、西側は国指定の天然記念物「泥炭形成植物群落」になっています。

湿地帯と北側外輪山


右側は宿泊施設


国内希少野生動植物に指定されているベッコウトンボが飛ぶ季節になりました。藺牟田池はベッコウトンボが安定的に数多く生息していることから,「ベッコウトンボ生息地保護区」に指定されています。

説明看板


トンボの生活史


観察池


説明看板は観察池に立っていますが、ベッコウトンボはこの付近には見当たりませんでした。最近は「密放流」を禁止する看板を見かけます。スポーツフィッシングのために放流された外来魚は自然生態系を破壊して在来生物への脅威になっています。ここでは外来魚駆除対策にも力を入れています。

2014/04/12付 西日本新聞朝刊記事によると、
藺牟田池では2009年夏の渇水の影響で10年、11年の延べ確認数は100匹に満たなかった。しかし、12年は295匹、13年は2815匹が確認され、個体数は回復傾向にある。
とされています。

2009年には地元の消防車による湿地帯保護の放水作業が1ヶ月ほども行われました。全国的にも珍しいことで話題になりました。果たして効果があったのか気がかりでしたが、その後は異常渇水もなく湿地帯の環境保護や観察池設置などの対策が効果を表してきたようです。

2~3年前は1時間以上草むらなどを見回ってもベッコウトンボを見ることはできませんでした。今年はすぐに目に付きました。数少ないトンボを探し回り出会えたときはうれしいのですが・・・・、人が周辺を歩き回ることは生態系に悪影響を及ぼすことでもあり昨年は見に行きませんでした。

池側の湿地帯のベッコウトンボ


枯草の上に止まる


池側の湿地帯


白い蓮華草もありました


アザミ


周辺農地の一部は自然のままに保護されています


ベッコウトンボは保護色になる枯草周りによく止まっています。きれいな野草の花などに止まってくれると絵になりますが、それはカメラマンの身勝手と言うものでしょう。(笑)
撮影レンズは80~400mmのズームレンズです。トンボを驚かさないよう、立ち上がらず徐々にトンボに近づくと1m以内での撮影も可能です。彼らは行動範囲(なわばり)があるので、飛び上がっても再び同じような位置に戻ってきます。

珍しく2匹が止まっています


少し風が強く飛んで後戻り


ベッコウトンボは個体数が回復していますが天候によってはあまり見かけることができません。日射しがなく肌寒いとき、雨降り、強風の日は殆ど飛ばないようです。この日は少し風はありましたが暖かい日射しでした。ベッコウトンボを20匹程度見ることができ、安心満足で次の撮影地に向いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花浄土/鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。