筆遣いの繊細さ、緻密さ、柔らかさ、引き込まれるタッチに、離れて鑑賞し、近くへよってもう一度、拝見。
まばらな、入館者は、一様に、行儀が良い。
思い思いの距離から、一枚一枚鑑賞してゆっくり、進む。
近くで、次には、離れて・・・。
そうした鑑賞風景は、他では見かけない。
一枚に群がってみていても、他人の導線を視野にいれて、すっと対応する。
今回の展示会は、今までと違う雰囲気を感じた。
竹内栖鳳の、絵画は、何と言っても筆遣い。
圧倒され、惹きつけられ、ため息さえ漏れてくる。
若いころの絵の線は、稚拙さが残る。
徐々に、圧倒される、筆致になり、晩年は、また作風がシンプルになっていったのが良くわかる。
下絵の、丹念は線も、西洋の画家の線からみたら、少ない。
いったいどのくらい、線を描いたのだろう。
心臓の鼓動に匹敵するくらいだろうか。
まさに巨人。
近代日本画の巨人
竹内栖鳳展
2013年9月3日(火)~10月14日(月・祝)
東京国立近代美術館