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埼玉県内になぜ練馬区が…上下水道は新座市、マンホールは東京

2022-04-04 12:59:57 | ニュース
埼玉県内になぜ練馬区が…上下水道は新座市、マンホールは東京
2022/04/04 06:49
 何げなく練馬区の地図を眺めていたら、お隣の埼玉県新座市に少し入ったところに「練馬区西大泉町」という地名を見つけた。いわゆる「飛び地」だ。広さはわずか約2000平方メートルでサッカーコートの半分弱ほどしかない。なぜこんな所に練馬区の一部があるのだろう。(高田悠介)

 西武池袋線・大泉学園駅から15分ほどバスに揺られると新座市内に入る。「片山二丁目バス停」で下車し、数分歩くと西大泉町だ。周囲は新座市だが、住宅街のこの一角だけ、民家の表札や自家用車のナンバー、路上の消火器に「練馬」の表示が記されている。

 区総務課によると、この地区には2月現在、12世帯30人が暮らす。ごみ収集は練馬区が担当。敷地が練馬区と新座市にまたがる住宅もあり、固定資産税は面積に応じて東京都と新座市が課税する。上下水道は新座市が管理するが、路上のマンホールの蓋には東京都のイチョウのデザインが刻まれている。

 数十年来、ここに暮らす女性は「水道は新座市、ごみ捨ては練馬区と行政サービスはバラバラだけど、住んでいて不便を感じたことはないですよ」と笑う。

 この地区が練馬区だと区が把握したのは比較的最近のこと。1974年6月、田畑だったこの土地に住宅を建てようとした業者が、練馬区に宅地開発の許可申請をしたのがきっかけだ。東京法務局練馬出張所で戦前の国の土地台帳を閲覧したところ、確かにこの土地には当時から、後に西大泉町となる地名「小作」がついていたことがわかる。

 国の記録と区の認識が食い違ったのはなぜか。練馬古文書研究会の寒河江耕作さん(42)によると、江戸時代、西大泉町を含む一帯には、小榑こぐれ村という集落があり、一部は米津よねきつ氏という大名が支配していた。寒河江さんは「米津藩は周辺の村々にも飛び地の領地を持っていた。明治以降、市町村の合併・編入が繰り返されるうちに忘れ去られたのかもしれない」とみる。

 小榑村は1889年(明治22年)、隣接の村と合併し、埼玉県の一部となった。しかし2年後には「大泉村」となり、こんどは東京府に編入された。旧小榑村の飛び地も同様に東京府となり、埼玉県内に取り残された。

 区画整理を経て、ほとんどの飛び地は埼玉県に編入されるなどして解消されたが、いまの西大泉町の土地だけ残ったらしい。その理由を寒河江さんは「この一角はずっと田畑で人が住まず、区画整理の対象とならなかったからだろう」と推測する。
 西大泉町の存在を知った区はすぐに解決に乗りだす。区議会や新座市と協議し、西大泉町を新座市に編入する方針を決定。住民たちに通知した。

 しかし、住民側は「住民の意思を無視している」と編入撤回を求める陳情を区議会に提出。区議会は「住民の意思は十分わかるが、新座市に編入されるべきだ」と不採択としながらも、「住民の意向を尊重して、できるだけ配慮するよう要望する」と区側に注文した。その後、編入に向けた住民側との調整は進まず、現在に至る。

 都心への交通の便が良い大泉学園駅の周辺は、自然豊かで閑静な住宅街が広がる一方、最近は駅前の再開発も進んで人気が高まっている。西大泉町を歩くと、「いまさら住所を変えろと言われても抵抗がある」と話す住民に出会った。住民が暮らしやすい環境であることが何より大切だろう。


全国初、学校制服にユニクロ 上下で約1万円

2022-04-04 12:52:31 | ニュース
全国初、学校制服にユニクロ 上下で約1万円 さいたま市立大宮北高
前田朋子(2022年3月9日付 東京新聞朝刊)

さいたま市立大宮北高(同市北区)は、新年度からカジュアルブランド「ユニクロ」の既製品を制服に採用する。女子生徒からパンツ着用希望があったことなどから見直しを進め、価格などを考慮して選定。現在の制服と選択できるようにした。ユニクロを運営するファーストリテイリング(山口市)によると、制服への導入は全国初という。

きっかけは女子生徒のパンツ着用希望

 大宮北高の現在の制服は男子は詰め襟の学生服、女子はブレザーとボックスプリーツスカート。筒井賢司教頭によると、昨年度末に女子生徒からパンツ着用を希望する声が上がり、個別に既製品を制服として許可している。この検討の中で現在の制服は価格が高く動きにくいほか、家庭で洗えないなどの問題点が浮上。改めて制服そのものを見直すことになった。

 生徒や保護者にアンケートし、値段を抑えるために既製服を探した結果、ユニクロに行き着いた。値段はジャケットとパンツ(スカート)の組み合わせで約1万円。現在の男子の詰め襟制服は上下で5万円前後といい、5分の1程度に抑えられる。シャツは白、青、グレー、夏季のポロシャツは白であればユニクロ以外でもよく、指定のユニクロ製品であれば10色程度から選べるようにする。学校ならではの個性を出すため、生徒がデザインし、ユニクロ製品と組み合わせるリボンやネクタイの試作も進んでおり、夏ごろには導入の予定という。

家庭で洗濯可 店舗でサイズを選べる

 筒井教頭は「自分で選ぶ力を身に付けさせたい」と複数の選択肢を設けた理由を説明。昨秋の中学生向けの進学説明会でも、おおむね好評だったという。制服廃止論もあったが「何を着ていけばいいか分からない」「家庭の経済事情が顕在化する」などの意見が在校生、教員ともに根強く、見送られた。

 対象は4月に入学する新1年生から。新2、3年生は基本的に現在の制服だが、シャツとポロシャツはユニクロも可とする。4月から長男が大宮北高に通う保護者の女性は「家庭で洗濯できるので衛生的で、サイズが変わってもお店で購入できるのがいい。ただ、息子は大柄なので合うサイズがないと困る」と話していた。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年3月9日]

中高年の単身女性、困窮コロナ禍で相次ぐ解雇、雇い止め、休業が追い打ち

2022-04-04 07:54:57 | ニュース
中高年の単身女性、困窮 コロナ禍で相次ぐ解雇、雇い止め、休業が追い打ち
2022/04/04 06:00

(東京新聞)
 単身で暮らす中高年女性の貧困が深刻化している。長期化する新型コロナウイルス禍の下、女性の従業員が多い飲食・宿泊業での解雇や雇い止め、休業が相次ぎ、困窮に追い打ちをかけている。(中村真暁)
◆雇用切っても構わないと思われているみたい…
 「1日2食を食べられたらいい方です」

 2月中旬、支援団体が東京都庁前で行った食品配布に初めて訪れた豊島区の女性(47)が声を落とした。年金暮らしの高齢の両親は頼れない。貯金は底を尽き、生活費に充てたカードローンが80万円ある。

 短大卒業後に正社員として働いた会社では、早朝から深夜まで長時間労働を強いられた。結婚や出産を機に辞める女性が多く、働き続けるイメージを持てないまま8年ほどで退職した。「男性同様の働き方ができないと、続けるのは難しかった」と振り返る。

 その後、派遣社員として職場を転々。年齢を重ねるにつれ契約が短期化した。「誰でもできるような仕事ばかり。スキルも蓄積しませんでした」

 コロナの感染が拡大した2020年春、パート先の飲食店が休業し、それまでの月収10万円はほぼなくなった。就職活動もうまくいかない。家事や育児を担うことが多い女性の就労は「家計補助のためでしかなく、雇用を切っても構わないと思われているみたい」。

 昨年12月からは、国民年金も払えていない。「老後のためにも健康でいたい。1日も早く仕事を見つけて収入を得たい」と話す。

◆公営住宅の抽選で当選したが…
 シングルマザーだった練馬区の女性(83)はデパートなどでパートの仕事に就き、子ども3人を育てた。元夫から養育費などの支援はなく「生活はぎりぎりで、がむしゃらだった」と振り返る。国民年金は未納期間がある。60代後半から清掃の仕事に就き、5万円の家賃を払いながら、月収8万円で生活した。

 約10年前に公営住宅の抽選で当選したが、家賃を払えなくなるのが心配で役所に辞退を申し出た。「職員から生活保護を勧められて利用しました。人に頼るのは良くないと思っていたが今は安心して暮らせている。同様に制度を利用せず、困窮する高齢女性は他にもいると思う。そうした人がもっと生きやすい社会になれば」と願う。

◆65歳以上の女性の半数が「相対的貧困」
 「中高年単身女性の貧困問題は、社会的にも政治的にも置き去りにされてきた」。当事者団体「わくわくシニアシングルズ」代表の大矢さよ子さん(71)は、女性の就労が多いサービス業などを直撃したコロナ禍が、この問題をより深刻化させたと強調する。

 大矢さんは、就労や相談支援について、その対象から中高年層が漏れていることを問題視する。例えば、資格取得などを支援する教育訓練支援給付金制度は45歳以上を対象外とする。「年齢制限を撤廃するべきだ。母子家庭への支援策も、子どもが18歳以上になると薄くなる。女性は子を産むことでしか、その存在が認められないようだ」

 単身世帯では、勤労世代(20〜64歳)の女性の約4分1、65歳以上の女性の約半数が、相対的貧困(標準的な所得の半分を下回る水準で暮らす)状態とされる。

 2020年度の老齢厚生年金の月額平均受給額は、65歳以上で男性は約170000円で、女性が約109000円とは大きな差がある。低賃金の非正規労働に従事してきた女性が多く、正社員でも男女間で賃金格差があるためだ。

 大矢さんは、多くの女性が年金受給額だけでは生活が成り立たないとして「社会には、女性は男性に扶養される存在という思い込みがある。特に40代前後の就職氷河期世代は非正規が多く、未婚率も高まっている。高齢女性の貧困率はさらに高くなっていく」と指摘した。
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