何度通ってもレーン間違えてしまう…日本最大級の巨大交差点、計20車線が斜めに交わる
2022/04/14 15:30
(読売新聞)
1、2、3……。とにかく車線が多い。上下に走る国道4号仙台バイパスと、左右に走る宮城県道の10車線ずつ、計20車線が斜めに交わる。日本最大級の巨大な交差点だ。(奥田樹)
1日に約8万台の車が通る仙台バイパスの片側は直進3車線。反対側には右折、直進レーンが各3車線、左折レーン1車線の計7車線ある。この7車線のうち、直進するつもりで右から3車線目を走っていると、交差点にさしかかったところで右折レーンだと気付く。何度通っても間違える。
どんな変遷をたどって巨大化したのか。国土交通省仙台河川国道事務所によると、1982年、混雑緩和と渋滞による事故減少を目的に、仙台バイパスを4車線から6車線に拡幅した。古い工事図面によると、94〜95年頃に右折・左折専用レーンを拡幅したとみられる。
だが、人口増もあって交通量がさらに増えることになり、事故件数は高止まりした。日本損害保険協会(東京)によると、2020年にこの交差点で起きた人身事故の件数は10件。県内最多を7年連続で記録した。
同事務所と県警は対策に乗り出す。直進車と右折車の衝突事故を防ぐため青信号の使用をやめた。信号は基本的に赤。直進も矢印灯器で表示し、直進車と右折車が同時に交差点に入らないようにした。路面には「止まれ」のカラー塗装を施し、見通しを良くするため植栽帯を刈り込んだ。
対策工事が21年2月末に完了し、県警交通企画課によると、同年3〜12月の人身事故件数は前年同期比4件減の5件となった。うち3件は左折時に自転車やバイクを巻き込んだ事故という。
同事務所の田中信二交通対策課長は「今後は事故の形態を踏まえてさらに対策を検討したい」、県警交通企画課の北野原聡交通事故総合分析室長は「交通ルールを守れば、大きな交差点でも事故の大半は防げる」と話している。15日まで春の交通安全運動期間。
仙台バイパス六丁目交差点はJR仙台駅から車で約10分。交差点から東に約5分のところに仙台東部道路の仙台東インターチェンジ(IC)がある。仙台バイパスの交通量が最も多くなる午後5時前後は周辺で渋滞が頻発する。