昔「藪入り」、今「ゴールデンウィーク」…休みはいつも待ち遠しい
2022/04/22 15:00
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ゴールデンウィークが近い。今年は新型コロナウイルス禍の中で迎える3度目の大型連休となる。過去2年よりは落ち着いた心境で、コロナに警戒しながらも、遊びに出かけようかと思っている人も多いのではなかろうか。
発信元は映画業界?
帰りの電車を待つ行楽客。記事の見出しは「みんなクタクタ」(東京・新宿駅で)=1969年(昭和44年)5月5日朝刊
この「ゴールデンウィーク」という言葉、戦後に映画業界から始まったというのが定説らしい。鷹橋信夫「昭和世相流行語辞典」(旺文社、1986年=昭和61年発行)では、1952年(昭和27年)の流行語として記載されている。
読売新聞の紙面に最初に現れたのも、この年の5月1日だ(皇居外苑でデモ隊と警官隊が衝突し、「血のメーデー」として記憶されることになった日でもある)。当時、木曜夕刊社会面に掲載されていた「映画案内」欄の冒頭に、<ゴールデン・ウイークの五月一週(一日封切)の邦画は国際色あり、冒険あり、意欲ありで 賑にぎ やかな話題を呼んでいる>とある。特に注釈もなく、当然のように使われている。
ゴールデンウィーク最終日、眠った子どもをおんぶするお父さん(東京・上野駅で)=1968年(昭和43年)5月6日朝刊
当時は日本映画の全盛期でもあり、毎日のように映画の広告が新聞に掲載されていたのだが、なぜかゴールデンウィークの文字はほとんど見当たらない。同年5月2日夕刊に掲載された大映系公開の山口淑子主演作「東は東」の広告には<3日続きのお休みは絶対この問題作を!>と書いてある。以後も数年間は<お休み続き><2日続きのお休み>といった表現が目立ち、「ゴールデンウィーク」「黄金週間」はなかなか出てこないのだから不思議だ。
広告を尻目に、記事ではすぐに定着した。例えば54年(昭和29年)4月29日夕刊社会面<悲鳴あげる浅草 駅員にスゴむ商人風の男 出鼻折られた 黄金週間ゴールデン・ウィーク >。記事本文も<ゴールデン・ウィーク第一日、二十九日の休日は私鉄スト第二波で行楽計画はめちゃくちゃ>と始まっており、すでに映画界に限らない一般名詞となっている。
以下略ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー