流行する手足口病 医師「大人の方が重い」 発疹の範囲が腕まで拡大、アルコール消毒よりも手洗いを
2022/08/19 16:55
子どもを中心に夏に広がる「手足口病」の感染が全国的に増えています。新型コロナの第7波と同時にやってきた感染拡大、大人も十分な注意が必要です。
名古屋市内の小児クリニック、2021年に比べて大きく増えているのが手足口病だといいます。
「発熱するとコロナとか、手足口病だったらどうしようと…」(保護者)
「手足口病が流行っているんですよね。保育園ではちらほら。心配ですね」(保護者)
愛知県では、感染者の数が7月ごろから増え始めました。
直近の週では、前の週の1.5倍ほどに伸びていて、名古屋市でも先週1週間の患者数は、過去3年の平均の2倍を超えています。
「去年・おととしは、ほとんど手足口病を診ていないというのが実情で、今年は7月末くらいから、とても患者さん多くなりました。今年から集団生活も制限が解除されてきたので、それで集団生活が多くなってきて、流行っているのかなと思います」(ワイワイこどもクリニック 吉田潤 院長)
手足口病 2022年ならではの特徴は「範囲が広がっている」
コロナ禍に見舞われた過去2年半、マスクの着用や人込みを避けるなど、厳重な感染症対策が定着してきました。
しかし、久しぶりの行動制限がない夏休みで、免疫のない子どもたちが多く感染したとみられています。
さらに、症状には2022年ならではの特徴があるといいます。
「本来は、手のひら・足の裏・口の中、それが揃って手足口病だが、それに加えて、手の甲や前腕。範囲が拡大している印象です」( 吉田潤 院長)
医師「大人の方が発疹の範囲が広く熱が高い、全身の倦怠感が強い」
2022年は発疹の出る体の範囲が広く、腫れ自体も大きいケースが多いといいます。
さらに、注意が必要なのは子どもだけではありません。
「もしも免疫がない場合は、大人でもなりえます。大人の方が発疹の範囲が広いのと、熱が高いのと、全身の倦怠感が強い。大人はお子さんよりむしろ症状が重いと言われています」( 吉田潤 院長)
症状が出ても、今のところ特効薬はなく、症状を和らげる薬を服用しながら回復を待つしかありません。
発熱は数日以内に収まり、発疹も1〜2週間で自然消滅するといいます。
しかし、ごく稀にあるのが、「脳」や「せき髄」への影響です。
「手足口病は、稀に中枢神経の炎症を起こすことがあるので、背中の神経・脊髄だと、手足口病の後に足が動かないとか、ふらつくとか、あるいは脳炎の場合は嘔吐する場合があります」(吉田潤 院長)
手足口病のウイルスの中には合併症を起こすものもあり、「ふらつき」や嘔吐などの症状が出た場合は、病院で受診が必要です。
稀に深刻な症状を引き起こす手足口病。
医師は、基本的な飛沫対策の徹底を呼びかけています。
「手足口病を起こす、コクサッキーウイルス群とエンテロウイルスには、通常のアルコール消毒は有効ではないので、今は新型コロナでアルコールを頻用されることが多いと思いますけど、より丁寧な手洗いとか基本的なことが重要だと思います。便からは、手足口病になってから2〜4週間ウイルスは排出されています。おむつをしている方が、手足口病になった場合は、おむつを替えた後、十分に手を洗うと、そういう必要が出ると思います」( 吉田潤 院長)
手足口病 感染経路や対策は?
手足口病はどんな病気なのか、改めてまとめました。
感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」「便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染」。
注意が必要なのが、「乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園など」です。
その理由は、子ども達同士の生活距離が近いことや、衛生観念がまだ発達していないことから、患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすいためです。
症状は口の中、手のひら、足底や足背などに、水疱性発疹が出るほか、発熱は約3分の1の人に出るが、高くないということです。
ワイワイ子どもクリニックの吉田潤院長によりますと、2022年の流行は、腕に出来たり、水疱性発疹が大きかったりするということでした
感染者数の推移については、夏の時期に流行っていることがわかります。
2019年は、大きな流行があり、現在はこの時ほどではないものお、2021年・2020年と比べると、増えているのがわかります。
感染対策についてもまとめました。
▽手洗いは流水と石鹸でしっかり。
▽ウイルスがついているかもしれないので、タオルは共用しない。
▽おむつ交換時は、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いを。おむつは袋に入れしっかりと閉め、他の人が触れないようにする。触ったあとは、しっかりと手洗いを。
(8月19日 15:40〜放送 メ〜テレ『アップ!』より)