ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

楽しい生活のための疲労

2016年12月09日 | 通信-その他・雑感

 旧居で使っていた流しの傍の食器乾燥機などを置いていた棚が、新居の流しの傍には十分なスペースがなくて置けない。もっとコンパクトな棚を作らなければならない。
 旧居で使っていた流し上の水切り棚が、新居の流しに十分なスペースがなくて設置できない。もっとコンパクトな水切り棚を買わなければならない。また、新居にはオーブントースターを置くスペースも無い。これも自作しなければならないようだ。
 引っ越してから5日目の12月5日、洗濯物が溜まっていたので洗濯をする。新居での初洗濯。雨の日が多く、室内干しする設備もないのでしばらく洗濯ができなかったのだ。しょうがないので、室内用物干しの器具を購入する。無駄な出費となった。
 また、旧居のベランダには物干し竿を置くための設備があったが、新居には私がこれまで見たことのない、壁に設置された折り畳み式の小さなものしかない。それは私にとって使い辛いので、普通のよく見る物干しを別途設置することにした。で、親戚の家から不要となったポール付き物干し台を貰って来た。ところが、それは随分古い物のようで錆ついているし、物干し竿を置くための部品が1部壊れていてすぐには使えない。
     

 ということで、私が私好みの生活を送るためには、食器乾燥機台を作る、オーブントースター台を作る、物干し設備を作る、などの住宅設備作成作業が発生した。これらの作業はできるだけ急ぎたいのだが、引っ越して6日目(火曜日)から始めた。
 それぞれ設計図を書く。食器乾燥機台はあれこれ悩んだが木材で作ることにし、これは時間がかかりそうなので後回し。オーブントースター台は簡単なのだが、それより先に物干しが急ぎだと思い、物干し設備を先に始めた。であるが、これは面倒。
 貰った物干し台に挿し込まれている柱のパイプは鉄製、片方に2本ずつ挿されており、背の高い方は錆が酷く、一部破損しているので引き抜いて処分。そこに別のパイプ、鉄で無くても良い、アルミとかステンレスのパイプを挿し込もうとホームセンターへ買いに行く。ところが、同じ太さのパイプが無い。しょうがないので、農家のハウスで使う細い鉄パイプを使うことにした。穴の大きさに足りないが何とか工夫しようと取りかかる。

 ホームセンターであれこれ部材を買い、試すが上手くいかない。腹立ったのでオーブントースター台から先に作る。これは一昨日に材料を準備し、昨日1日で完成する。
     
 オーブントースター台作りと並行して物干し設備もその後あれこれ考えていた。昨日良いアイデアが浮かんで設計も概ねできて、材料を買いに行って作成に取りかかる。「よっしゃ、これで物干し設備も今日で完成だ、セメントが乾いた明日から使えるぞ」と作業をしながら私はニヤニヤしていた。ところが、そのニヤニヤはすぐに消えた。
 それ用の材料があるわけではない。別用の材料を工夫して自作の物干し設備とする。鉄製の部材を加工するので時間がかかる。カナノコ使ったり、ヤスリ使ったりだ。そうやって時間をかけて完成した部材の1つが、寸法違いのものであった。これでは全く使い物にならない。セメントも流し込んで物干し台の完成は目の前だったのに、だ。
 片方の物干し台はほぼできていたのだが、寸法違いの部材のもう片方は初めからやり直しとなる、だけでは無い、流し込んだセメントを取り出すという余計な作業もある。どっと疲れが出る。只でさえ、引っ越し作業で疲れているのにだ。血圧も上がっている。
     

 記:2016.12.9 島乃ガジ丸


老いてなお上を目指す人

2016年12月02日 | 通信-その他・雑感

 今週は私にとって引っ越しという大イベントもあったのだが、それを後回しにしなければならない別の事件があった。事件と言うと大げさだが、それは何と二日酔い。
 喜びも悲しみも腹六分を信条としている私はあまり深酒をしない。一人で家飲みする時は概ね7時から9時までの間に発泡酒1缶に泡盛の薄い水割り3~4杯を飲んで終わる。それくらいだとほろ酔いとなって、気持ち良く眠りに着く。友人達と外飲みする場合もさほどは飲まず、7時頃から飲んだとして遅くとも10時頃には帰るようにしている。
 であったが、今週日曜日は、6時過ぎから飲み始め、2人でビール大瓶4本、発泡酒1缶を飲んで、泡盛4合瓶をほぼ空にした。相手は旧アパートの大家のNさん。
 Nさんを誘ったのは私の方、「今月一杯でアパートを出るので別れの盃(さかずき)でもいかが?」と誘った。私としては1人あたりビールの2~3缶でも飲みながら1時間程度のユンタク(おしゃべり)で済む予定だった。が、Nさんは「私が瓶ビールと刺身を準備するから、あなたは泡盛と水とその他の肴を準備してくれ」と言い、当日、6時過ぎにやってきて1時過ぎまでいた。Nさんは団塊の世代より少し下という年齢だが、団塊の世代に多いと思われる「飲む時はとことん飲むぜ」性格のようであった。

 大きなクーラーボックスを担いできたNさん、6時過ぎから1時過ぎまでの約7時間、大いに飲んだ。飲むペースも速かった。ビール4本の内3本はNさんの腹の中、ビールを飲み干すと泡盛の栓を開け、これも大いに飲んだ。最初「2合瓶で足りるはず」と思っていたが、「残ったら新居に持って行き、後日飲めばいいさ」と4合瓶を買っておいて良かったのだ。Nさんはまた大いに食った。「おにぎりも用意してくれ」と言っていた通り、飲んでも食事をするタイプ(私は飲む時ご飯類は食べない)のようであった。
 Nさんはそして、大いに語った。これまでの自慢とこれからの夢を多く語った。自慢の内、高校生の頃に始めたというクラシックギターは、飲んでいる最中に私のギターを見つけ、手に取り実演して見せてくれた。その腕前は確かに自慢するだけのことはあった。私など足元にも及ばない腕。Nさんはサンシンも上手で、弟子も1人いるとのこと。
     
     

 Nさんは公務員を永く努め、結婚し、子供2人をもうけ、広い土地を買い、家を建て、家の隣には収入源となるアパートも建て、定年後に畑地を購入し、農夫としても一時活躍し、大きな車を、自分用、奥さん用、畑仕事用の3台も持ち、子供2人を一人前の立派な社会人に育て上げ、常に髪を整え、小ざっぱりした格好のダンディーなオジサン。
 それに比べ私は、零細企業に努め、結婚もできず子供もできず、親の残した家土地を手放し、会社をリストラされて、農地を借りて、農夫としても収入を得ることができず、安い車を1台持ち、常に髪はバサバサで、みすぼらしい格好をした只のオジサン。
 そういった見た目とか財産とかだけでなく、Nさんは来年か再来年には高齢者と呼ばれる年齢であるのに、これから先はこんなことがしたいあんなことがしたいと、これからの夢も大いに語った。上を目指す人だ。それに比べ私は、10年後にはもっと田舎に、6坪ほどの家を建て、1人静かに暮らすことを考えている夢の無いオジサンである。
 常に上を目指しているから「とことん飲む」のであろう。仕事も遊びも全力投球だ。それに比べ私は、仕事も遊びも腹六分。でもそれでいいのだ、私は控え目なのである。

 記:2016.12.2 島乃ガジ丸


マリッジブルーみたいな

2016年11月25日 | 通信-その他・雑感

 「結婚してくれないか」とプロポーズし、「いいよ」と彼女が肯き、互いの両親の承諾も得、結婚式の日取りなども決まって行く。が、その途中、彼女から結婚の条件をあれこれ言い渡される。「えっ!」と思う事項もあったが、結婚式の日取りは決まっているし、披露宴の招待客に案内状も送っているし、今更キャンセルはできない。
 「煙草は吸わないで、どうしても吸いたいのなら外で吸って。」、「トイレは小の時でも座ってやって。」、「家事は分担、例えば、料理は私が月水金で、アンタは火木土とするなら、掃除はアンタが月水金で、私は火木土という風にするのよ。」などなどといった要請。異議申し立ては結婚後にしようと思い、取り敢えず肯いた、のが失敗。
 新婦の要請に従わないことがあると、「約束したでしょう!約束が守れないのなら離婚よ!」と怒鳴られる。ここで新郎は気付く、「あー、俺は奴隷になってしまった」と。

 マリッジブルーとは何なのかと調べた。広辞苑に記載はなく、『現代用語の基礎知識』にマリッジブルーではなくエンゲージブルーの項目の中に載っていた。エンゲージブルーとは「婚約した女性が、これからの結婚生活への不安や、婚約者選択についての後悔から、気分がふさぎこんでしまうこと。結婚後に起こるものをマリッジブルーという。」とのこと。エンゲージブルーという言葉を私はそれまで知らなくて、結婚前の不安をマリッジブルーというのだと誤解していた。また、結婚前にしろ結婚後にしろ、「気分がふさぎこんでしまう」状況は男女共通のものだと誤解していた。女性限定のようである。
 しかしだ、私はその「女性限定」には反論したい。男だって「この女と結婚してホントに大丈夫か?」と不安になり、「何でこんな女と結婚したんだ!」と後悔することも少なからずあるはずだ。昔の「女房は夫に従う」なんて亭主関白の時代ではないのだ。「結婚しちまえばこっちのもの」と昔の男は思ったかもしれないが、「結婚しちまえばこっちのもの」と、今は女の方が思う時代だ。マリッジブルー、今はきっと男に多いはず。
     

 11月18日、浦添市にある不動産屋へ行き、そこが代理管理する物件で、12月1日から私の住まいとなるアパートの賃貸借契約をした。契約の一通りの事務処理は何と、1時間15分もかかった。何故なら、契約内容の条項を細かく説明されたからだ。
 説明された契約条項の中で気になることがいくつかあった。例えば、私が「当然やってもいいこと」と思っていた「壁に釘を打つこと」が禁止、「掛け時計をどうやって壁に取り付けるんだよ!」と思う。「カビを生えさせてはいけない」というのもあった。「カビなんて自然現象じゃないかよ!」、「楽器演奏禁止」なんてのもあった。「俺のギターとサンシンはどうなるんだよー、悲しい時は歌いたいじゃないか!」と思う。にしても、
 「しかし、そんなことはよー、決める前に言ってくれよ」と私は思った。下見した時訊いたじゃないか、「借りる上で何か特記事項はないですか?」と、「2人以上住むのはダメです」とだけ不動産屋のお兄さんは言っただけじゃないか。そりゃぁ確かに、今時のアパートマンションは入居条件が厳しいという噂は聞いていた。しかしここまでとは。
 家に着いて、寝るまでは特に何ともなかったが、奴隷になる夢でも見たか、夜中目が覚めてしまった。入居条件のことが頭をグルグル回って、「あー、俺は住まいの奴隷になるかも」と不安になり眠れなかった。これって、ムーブブルーとでも言うのだろうか?
     

 記:2016.11.25 島乃ガジ丸


楽しければいいのだ

2016年10月28日 | 通信-その他・雑感

 急がなければならない種播きがいくつもあって、先週は休日無く1日平均7時間労働であった。しゃがんでの除草と土ほぐし、「おそらくそうなるだろう」と思っていた通り、腰が痛みだした。今週もまた、同じ作業を続け、ついに、腰痛が復活した。
 ヨー、ヨー、ヨー、ヨー ヨー、ツー、フッ、カーツッ 
 イテッ、イテッ、イテテーヨ イテッ、イテッ、イテテーヨ
 立って痛いし、歩いて痛い くしゃみしたなら激しく痛い
 このままずっと寝たきりか? まだまだ気持ちは青春なのに
なんて、ラップ調の歌も思い付いた。老人バンドが歌うと良いかも。

 今月(10月)初め頃には右手中指と薬指の筋が痺れて、数時間その2本の指が動かせないという症状があった。台風18号の強風によって倒されたウージ(サトウキビ)20数本の内、倒され方の酷い12本を刈り取ってウージ汁を作った。その際、ウージの堅い節(竹の節に似る)は取り除いていた。取り除くのには剪定鋏を使う。ウージは堅い、それを剪定鋏で切断する。右手を全力で握ること100回以上、これが祟った。その頃はまた、歯茎にも不具合が生じていた。老いは間違いなくやってきている。
     
 老いる私には、病も当然やってくるであろう。実は、先週水曜日(19日)午後6時15分のこと。恋もしていないのに胸が苦しくなった。10月半ば過ぎとは思えぬ糞暑い太陽の下で「きついな」と思いつつ4時半まで農作業を頑張って、家に帰って黒砂糖作りに挑戦しつつ、晩飯の準備もしつつ、デスクの前に腰掛け、パソコンを開いてガジ丸記事書きに取りかかろうとした、その時突然、心臓の右下辺りが痛くなった。
 これまでに経験したことのない痛み、「これが心臓発作か?心筋梗塞ということか?」と思いつつ、助けを求めるため電話に手を伸ばす・・・ということはせず、「こんな時にはこれが良いに違いない」と私はベッドに仰向けに寝て、腹式深呼吸を始めた。
 痛みはなかなか治まらなかった。運の悪いことに黒砂糖作りの鍋を火にかけっ放し。今立ち上がると心臓に大きな負担になるのではないかと心配しつつ、ゆっくり起き上がってコンロの火を消し、ベッドに戻って再び仰向けに寝て、「こんな時にはこっちが良いかもしれない」と、次は瞑想をした。6時40分、約15分間の瞑想で痛みはほぼ引いた。そして、罰当り者の私はその後、酒を飲み煙草を吸った。いいのだ、楽しければ。
     

 「深酒はしないでね。」
 「いいじゃないか、たまには。酔いたい時もあるんだよ人生は。」
 「煙草は止めてよ。」
 「いいじゃないか、一日10本も吸っていないぜ。」
 「少しであっても煙草は健康に悪いのよ。」
 「煩せぇなー、俺の命だ、俺の好きにさせろ。」
 「あなたのことを心配して言ってるんじゃないの!」
 「じゃあ、仕事辞める。仕事が俺の最大のストレスとなっている。」
 「何言ってんの!金を稼ぐあなただからこそ心配しているのよ!」
などといった会話がどこかでなされていないだろうか。頑張れ!夫ども。

 記:2016.10.28 島乃ガジ丸


あんあんあん

2016年08月12日 | 通信-その他・雑感

 あんあんあん、ドラえもんの歌ではない。あん❤あん❤あん❤と書くと、女性のあの時の声になるがそれでもない。安杏餡と漢字表記して安全な杏の餡という意でもない。

 先日、別件で過去の日記を見ていたら、2013年8月8日に、今住んでいるアパートを管理している不動産屋へ行き、引っ越しについて相談している。その頃から私は引っ越しを考え、たぶん、「引っ越したいなぁ」という緩い決意でいたのだろう。私好みの厳しい条件、家賃が安く駐車場付き、部屋はワンルームか1Kのフローリングで、1階か2階の角部屋(窓が2方向に1つずつ)、畑から徒歩圏内といった条件を付けていた。しかしながら、そういった好条件のアパートは2年半近く探しても見つからなかった。
 そういった厳しい条件を全てクリアしたもので無ければ引っ越さなくていいや、という緩い決意は、しかし、今年になって「何としても引っ越さなければ」という強い決意となって、条件を大幅に緩和して、本気モードで新居となるアパート探しをしている。

 これまでに1軒の部屋を不動産会社に案内してもらい、3軒のアパートをその環境を知るために、自分で探して見に行った。その内の1軒は、家賃は3万6千円、畑からの距離が直線で1キロメートルほど、間取りは2DKで1部屋は和室だが他はフローリング、ということで、初め「ここにしようか」とまで一旦は思ったのだが、今は迷っている。
 後の2軒は、間取りはワンルームと1Kで満足なのだが、畑からの距離が直線で1キロメートルを少し超えるのと、何より家賃が4万1千円と4万2千円といことで躊躇している。それでもまだ却下の断定をせず、3軒共に迷っているのには理由がある。今度越す先は長くて5~6年、短ければ2~3年の仮住まいでいい、2~3年なら多少の不都合は構わぬと思っているから。向こう10年は、仮住まいの生活が続くと思っているから。
     

 生きていればの話だが、10年後、あるいはもう少し後、私は終の棲家を求めるつもりでいる。なので、それまでの私の住処はどこであれ仮住まいとなる。
 24坪ほどの土地に6坪ほどの小屋を建てそこに住む。残る18坪は駐車場や庭とし、建物の面積の割には広い(約2坪半)デッキを設けている。門から、あるいは駐車場からスロープを通ってデッキに上り、デッキから玄関に入る。車椅子でも家の中に入ることができるバリアフリーである。デッキに面して掃き出し窓もあり、部屋からの出入りもしやすい。気候の良い日、部屋にある長火鉢をデッキに出し、干物でも焼きながら酒を飲むためのデッキであり、夕暮れ時、椅子に座ってボンヤリ過ごすためのデッキ。また、人を呼んでバーベキューなどをする時にも使われる。なので、割と広くなっている。

 小屋はできるだけ庵の風情とし、名前を付け小さな看板を掲げる。看板に刻まれる文字は「安暗庵」。表題の「あんあんあん」とはこれのこと。
 安暗庵とは、広さ6坪程の木造トタン屋根ということで安っぽいという意の安、暗は、建物の周りには樹木が茂っていて陽があまり当らないという意の暗でもあるが、独居老人は社会的に暗いというイメージがあるのでその暗の意もある。そこで静かに暮らし、畑の野菜を肴に自家醸造の酒を飲む。そしていつか、1人静かに死ぬ。それが私の夢。
     

 記:2016.8.12 島乃ガジ丸