ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ハニンニク

2019年04月24日 | 飲食:食べ物(材料)

 元気になる野菜

 寒くなると私も鍋料理が恋しくなり、30年ほど使っている愛用の土鍋を出し、先ずは海鮮を主体とした水炊き、その後、煮汁をそのまま使って鶏肉の水炊きとなり、その後、またも煮汁はそのままにして和風おでんになり、最後に沖縄風おでんになる。
 冬場は南国沖縄も少しは寒くなる。が、今期の冬は暖冬であった。朝起きて「寒い」と感じることが少なかった。少なかったけど土鍋を出し、鍋料理は何度もやった。
 鍋料理が続いていたある日、八百屋へ今宵の鍋の具材を物色していたら、見た目は青ネギだが名札には「葉ニンニク」とある野菜に目が留まった。腰痛は良くなったり悪くなったりの繰り返しが続いていて、「腰痛が治らないのは体に元気がないからではないか」と思っていたこともあり、早速購入し、早速その夜の鍋に入れ、晩酌の肴にした。
 ニンニクの香り(ニラの香りといってもよい)が少ししたが、さほどきつい匂いではない。食べて美味しかった。で、この冬は、4、5束は購入し、鍋の具材とした。
 元気になったかというと、それは不明。腰痛は今もなお続いているので腰痛緩和にはなっていないようだ。でも、美味しく食べることができたので、それで心は満足。
 
 ハニンニク(葉大蒜):葉菜
 ユリ科の多年草 西アジア原産といわれる 方言名:ヒル、あるいはヒルンファ
 ニンニクの鱗茎が肥大する前の茎葉を食用にすると文献にあるが、先輩農夫に訊くと「それ用の品種がある」とのこと。よく見るニンニクとは亜種関係なのかもしれない。
 ニンニク同様アリシンを多く含む、ビタミンミネラルも豊富で滋養強壮、風邪予防に効果がある。 鱗茎が肥大する前の若い茎葉を食用とするため早めに収穫する。本種も放っておくと鱗茎が肥大し、鱗茎を食用とするニンニクとなる。ハニンニクは8月から10月に植付け、11月から2月に収穫する。鱗茎の収穫時期は2月から4月。

 記:2019.4.21 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行


カボチャ

2018年12月26日 | 飲食:食べ物(材料)

 好物ではないけど

 過日、素麺をたくさん頂いたので、このところの朝飯は素麺のことが多い。農作業という肉体労働をしなくなってから1日2食に戻し、昼飯は摂らなくなっていたが、11月末頃、柿をたくさん頂いたので、昼飯には柿1個を食べることが多い。晩酌の肴は、その主体は豆腐、概ね豆腐で腹を満たし、肉や野菜がおかずとなり、酒のつまみとなる。
 ということで、普段、米の飯を食う機会があまりない。ここ半年ばかり、家でご飯を炊いていない。半年前の2キロ入り玄米がまだ半分は残ったまま。ということで、3日に1日は休肝日としているが、休肝日の日はなるべく米の飯を食べるようにしている。

 家で米を炊かないので米の飯はスーパーの惣菜コーナーで買っている。ご飯はなるべく玄米ご飯を買うようにしているが、それが無い時は玄米弁当を買い、それも無い時はしょうがなく白米にしている。であるが、それより優先してしまっているのが半額シール。スーパーに行った時間帯によっては弁当が半額になっている時があり、その時はついフラフラと半額の誘惑に負け、中身を問わず半額弁当を買うことが多い。
 中身を問わないといっても、同じ半額であるならば玄米を選び、次に和風を選ぶ。玄米弁当も概ね和風なので私の好みはウチナー弁当ではなく和風のようである。
 ウチナー(沖縄)弁当が嫌いというわけではけして無い。炒めものや揚げ物の多いウチナー弁当より煮物焼き物が多いあっさり目の和風が好みなのである。あっさり目の和風弁当にはたいていカボチャの煮物が入っている。カボチャは私の好みの上位には無いが、カボチャよりはゴボウ、レンコン、タケノコの方がずっと好みだが、弁当に入っている程度の量であれば、カボチャも美味しく頂いている。
     
     

 好物では無いカボチャだが、稀には購入して煮物を作っている。自作のカボチャを自作の料理で食ってみたいと思って、2013年から14年にかけてカボチャの苗を2度植えているが、収穫できたことはない。私とは相性が悪いのでしょうか?
     
 カボチャ(南瓜):果菜
 ウリ科の蔓性一年草 中南米、北米西部の原産 方言名:チンクヮー
 カボチャ属には日本カボチャ(Cucurbita moschata)、西洋カボチャ(C. maxima)、ペポカボチャ、ミクスタカボチャ(C. mixta)などの系統があり、現在、日本では西洋カボチャの栽培が多いとのこと。ペポカボチャ、ミクスタカボチャの系統は飼料用やスイカ、キュウリ、メロンなどの台木としての利用が多いとのこと。
 倭国では夏野菜のようだが、沖縄では1月から7月までの収穫となる。
     

 記:2018.12.24 ガジ丸 →沖縄の飲食目次


カブ

2018年12月19日 | 飲食:食べ物(材料)

 日本酒の肴

 私の数少ないブログの相互読者であるコスモスさんがブログを辞めてしまい、寂しい季節がさらに寂しくなっているが、数少ないブログの相互読者の残る1人であるくりまんじゅうさんは元気そうで時々身近な事柄を発信している。スポーツ関連、芸能関連には興味ないのだが、彼女が紹介する食材や料理には関心があり、よく読んでいる。
 過日、彼女のブログで野菜のカブが、彼女の料理と共に紹介されていた。カブは私の大好物、11月頃から沖縄のスーパーにも顔を出す。先日2個入りの1袋を買って、小ぶりだったので2個とも塩揉みして、塩を洗って、絞って冷蔵庫で保管。塩もみした2個分は全て翌日の晩酌の肴にした。美味しかったので日本酒も少し飲んだ。
     
     

 畑やっている頃、自分でカブを育てたことが何度かある。ホームセンターへ行くと、カブにはいくつか品種があり、私はいつもコカブという種を購入していた。種袋の説明によるとコカブは害虫のアブラムシの食害を受けるが、丈夫で育てやすいとのこと。3~10月に種蒔き、4月後半~12月前半に収穫と適応期間が長いという利点がある。
 自分で種を播いて収穫したコカブの写真は無いかと探したら、あった。2014年10月末に種を播いて、同年12月9日に収穫したコカブの写真。「旨かったなぁ」と思いだす。「作りたいなぁ」と思う。でも、スーパーで買ったカブもきっと同じ。ただ、自分が作ったという贔屓目が自分のものをより美味しく感じさせるだけのことだろう。
     
 カブ(蕪):根菜・葉菜
 アブラナ科の一・二年草 地中海沿岸~西アジア方言名:インディー
 根と葉を食用とする。根の形は円筒形、球形、扁球形などあり、色は白、赤、緑、紫など様々な品種がある。東洋系では大カブの聖護院、葉を主に食用とする野沢菜があり、洋種系では小カブの金町などがあるとのこと。

 記:2018.12.24 ガジ丸 →沖縄の飲食目次




アカザカズラ

2018年07月26日 | 飲食:食べ物(材料)

 百の薬効

 アカザカズラ、流通名をウンナンヒャクヤク(雲南百薬)と言い、こっちの方が有名かもしれない。植物としてのアカザカズラを紹介したのは2011年の1月、その中で、

 行きつけの散髪屋の親父に「ウンナンヒャクヤクが畑にあるが、要る?」と訊かれ、そのムカゴを貰ったのは2009年の3月、ムカゴは鉢に植えて、ツルがいくらか伸びてから従姉の家に持って行った。その後どうなったかは不明・・・葉も数枚貰って、天ぷらなどにして食べてみたが、ツルムラサキとほとんど同じ味だったのを覚えている。

 などと書いているが、従姉の家に持って行ったウンナンヒャクヤクはとうの昔に消えていた。「ツルムラサキとほとんど同じ味だった」についてはさすが私である、それは全くのテーゲー(大概:いい加減という意の沖縄語)な言い様で、私はツルムラサキの味さえ覚えていないのだ。ただし、ウンナンヒャクヤクは最近食べた。
     
     
 知人の会社社長Gさんに誘われて薬草の飲み屋(肴に薬草料理を出してくれる)へ行って、ウンナンヒャクヤクの葉のお浸し、ムカゴの煮物を食べた。特別に美味しいというものではなかったが、良薬は口に苦しというのに、しかも百薬というのにほとんど苦みは感じず、普通に食える野菜料理であった。店のママさんが料理上手だからであろう。
 つい最近、というか、昨日記事をアップしたばかりのツルムラサキ、それは自分で料理して食べたが、記憶ではツルムラサキよりウンナンヒャクヤクの方が美味かったような気がする。そりゃあそうだぜと別の自分は思う。「ママさんと俺の腕前の違いだぜ」と。

 ツルムラサキ科というと、沖縄では古くから健康食とされてきたツルムラサキがある。ツルムラサキとアカザカズラ、肉厚な葉や花、ツル状の形態など見た目に似ているが、ツルムラサキはツルムラサキ属で、アカザカズラはアカザカズラ属とのこと。
     
     

 アカザカズラ(藜蔓):野菜・薬用
 ツルムラサキ科の蔓性多年草 熱帯アメリカ原産 方言名:なし
 別名としてマデイラカズラとかツルアカザ、オカワカメとかあるが、流通名ウンナンヒャクヤク(雲南百薬)で知られている。薬草として有名。
 花は咲くが、日本では結実しないとのことで、地下にできる根塊や、葉腋にできるムカゴ(零余子)で繁殖するとのこと。
 ビタミンや、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、栄養価の高い葉野菜とされている。茎、葉、根塊、ムカゴがお茶、野菜、薬用として利用される。

 記:2018.8.6 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『沖縄おばぁの健康レシピと長寿の知恵袋』平良一彦監修、(株)エクスナレッジ発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行


ツルムラサキ

2018年07月25日 | 飲食:食べ物(材料)

 不味くはない

 植物としてのツルムラサキを紹介したのは2006年4月のこと。その記事の中で「野菜としては、そう多くは生産されていないようである。スーパーに並んでいるのを私は見たことが無い。」と書いているが、数年前から通っている八百屋にはヨモギやウンチェーバー、ニガナなどと共にたいてい置いてあり、今はスーパーでもたまに見かける。

 ツルムラサキを食べた経験があるかどうか、少なくとも「これがツルムラサキ」と認識して食べたことは無いと思う。前述したように普通にスーパーで売られているものでは無かったし、首里石嶺に住んでいる時、その庭にツルムラサキが自生していたが、それは雑草と思っていたので食べようという気にはならなかった。
 先日(2018年7月20日)、最近よく通っている八百屋へ行って1束購入し、その半分を翌日、茹でてゴマ和えにして食べてみた。つい最近ハンダマ(スイゼンジナ)をほぼ同じ味付けのゴマ和えにして食べたのでそれと比較すると、
 食感はハンダマ(スイゼンジナ)ほどではないがヌルヌルしていて、ハンダマより柔らかい。味は、ハンダマより苦みが少々強く、匂いも「良い香り」とは言えない。それでも不味くは無いので、あれば喜んで食べる。味付けが良ければ美味くなるかもしれない。

 カルシウム、鉄、ビタミンAを多く含む健康野菜。黄疸、淋病、梅毒や手足の関節リウマチに薬効があるとのこと。別の文献には解熱、利尿、通便に食すともあった。
 葉、茎、花、果実全て利用でき、黄疸、淋病、梅毒については乾燥させた葉を煎じて飲むとあり、関節リウマチについては豚足と共に酒少々を加えて煮て、食するとのこと。その他、普通に野菜としてお浸し、天ぷら、油炒めで食す。

 ツルムラサキ(蔓紫):野菜・薬用
 ツルムラサキ科の蔓性多年草 熱帯アジア原産 方言名:ジービン、ジュビン
 性質が強く、沖縄の夏の暑さにも負けないので夏野菜として重宝される。夏だけでなく一年中収穫できる。また、害虫被害も無いので無農薬栽培ができる。
 品種はいろいろあって、茎が紫色なのと緑色のものとに大別される。野菜としての利用は緑茎種が好まれるとのこと。ツルは3~4mまで伸びる。
 葉脇に可愛らしい白い小さな花を穂状に付け、次々と咲く。早い花から順次実となり、熟すと照りのある濃紫色となる。花と実が一緒についていることが多いので目立つ。
     
     
     

 記:2018.7.24 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄おばぁの健康レシピと長寿の知恵袋』平良一彦監修、(株)エクスナレッジ発行