ガジ丸が想う沖縄

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無言電話の正体

2004年12月24日 | 通信-社会・生活

 職場には今、事務員がいないので、概ね私が本来の私の仕事をしつつ、電話番という仕事も兼ねてやっている。部長は営業で外出することが多く、社長は、いても電話を取らないので、丸一日、私が電話の応対をするってことも珍しくない。
 電話は、その7割方は取引先とか顧客とかからであるが、3割近くは金融会社からの営業電話だ。「私○○ですが、××さんお願いします。」などと、社長の氏名の名の方を親しげに呼んだりする。うっかり、社長の友人だと思いがちだが、騙されてはいけない。「ご用件は?」と訊くと、「じつは、△△金融ですが、融資の件でお話が・・・」などと来る。そんな電話は、いろんな会社から、そして、同じ会社から何度も何度もかかってくるので、えらい営業妨害となっている。腹は立つのだが、怒鳴るわけにもいかない。
 このごろは少なくなったが、一時期、この春から夏くらいまでの数ヶ月間、ひと月に十数回もの無言電話が掛かって来た。呼び出し音が5、6回鳴った後に取ったのであれば、5、6回も待てないせっかちな人が電話してきたんだな、と思うが、1、2回で取った場合でも、「はい、○○です。」と応じると、すぐさまガチャっと切られたのだった。
 想像だが、「はい、○○です。」と応じる声が年寄りの声だったなら、「おれ、おれ」と答えが返ってくるのではないか。つまり、無言電話の正体は“おれおれ詐欺”なのではないだろうか。誘拐、殺人など、今年もまたいろいろ悲惨な犯罪がこの国にあったが、“おれおれ詐欺”は、近年流行った中ではじつに気分の悪くなる犯罪の一つではないかと思う。
 人の心の弱みにつけ込むなんて、何て卑劣な、って思うのだ。けして“やくざ”を誉めるわけではないが、昔の仁侠映画に出てくるその職業の人たちは、「堅気には迷惑を掛けるんじゃねぇ」などという誇りを持っていたように思う。「あれは映画の話だ。現実はそうではない。」かもしれないが、悪いことするにしても、健さんのように“人としての誇り”を持っていて欲しいものだと思う。甘い考えだが、そういう世の中になるといいね。
 電話の声は、「私だ。今度の衆院選で1億ばかり至急に要る。振り込んでおいてくれ。」というある大物国会議員。電話を受けたのは、ある特殊法人の理事長。ほとんど仕事をせずに濡れ手に泡の報酬を得ている天下り人。電話の話は、国会議員の声を真似た詐欺なのだが、この場合は、気分の悪くならない犯罪となる。“やれやれ詐欺”と呼んでいる。

 記:2004.12.24 ガジ丸