ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

他人の振り見て

2011年02月04日 | 通信-音楽・映画

 那覇新都心に大きなショッピングモールがあり、その中に大きなシネコンがあり、電気店もあり、スーパーもあり、広い駐車場もある。車で行って、映画を観たついでに、電気店やスーパーで買い物もできる。便利だ。そんな便利なシネコンに私は滅多に行かない。映画は好きだけど、ハリウッド映画の概ねは好きでないからだ。
 駐車場は離れた所(徒歩3~4分)にある上、国際通りという渋滞する道路を通らなければならないので、車では行きたくない。平和通りがすぐ近くにあるが、昔は那覇庶民の買い物場所だった平和通りも今は観光客相手の店が大半で、私が買い物するような所では無い。電気店もスーパーも遠い。そんな環境にある映画館へ私は行く。

 そんな環境にある映画館とは、桜坂劇場。私好みの映画をよく上映している映画館。そんな桜坂劇場だが、去年の7月以来ご無沙汰となっていた。遺産相続手続きが面倒で、時間がかかったのと、そのせいで遅れていた畑仕事を優先したのと、大量のHP記事のページ移動という、これまた面倒で時間のかかることもやっていたからだが、お陰で、桜坂劇場から頂いた3枚の無料招待券も無駄にしてしまった。 

  先月(1月)中旬、去年の7月以来の桜坂劇場へ行く。もちろん、映画を観に。観た映画は『マザーウォーター』。私が上手いと評価している女優が主演で、私が面白いと評価した映画『カモメ食堂』の監督作品だったので、観たいと思った。
 この半年間、観たいと思った映画は、名前は思い出せないがいくつもあった。桜坂劇場での上映は無かったが、話題の『ヤギの冒険』も観たいと思っていた。私は、「大」が付く程では無いが、映画が好きである。現実から別世界へ引き摺りこんでくれる力を持った映画が好きである。そんな力を持った映画を良い映画だと私は評価している。
          

 ※追記:2011.2.5 昨夜、友人KRからメールがあって、間違いを指摘された。
 『マザーウォーター』の監督は松本佳奈だが、
 『カモメ食堂』の監督は荻上直子。両監督に失礼しました。なお、下段に補足あり。

 『マザーウォーター』、そういう意味では期待外れだった。前半部分は、情景が淡々と流れて行くシーンが続いて、その時間と空気を感じることができて、途中、思わずウルウルしてきそうなほど気持ち良かったのだが、後半になって興醒めしてしまった。
 マザーウォーターの意味するところが、淡々と流れて行く川の水の如く、人生を淡々と生きて行く中年女性達を表しているのか、それはよく解らなかったが、登場する中年女性達、もたいまさこも小泉今日子も小林聡美も、後半になると煩くなった。
  彼女達は悟った女達であった。「私に迷いはないのよ」であった。「こんな生き方良いでしょ?」と、遠回しに語り続けていた。それが煩かった。川縁にポツンとある木製の椅子を映すだけで、あるいは、それに腰かけてボーっとしているもたいまさこを映すだけで、淡々と流れる時の気分は伝わってくるのに、彼女たちは煩くしゃべり続けた。

 「40、50のくせに何を偉そうなことを」と思ったのだ。が、私はそこで、はたと気付いた。そういう私自身もこのHPで悟ったような口をきいているじゃないかと。
 他人の振り見て我が身を反省し、以後、偉そうなことを書かないようにするか、あるいは、「いやいや、監督が自分の主張したいことを主張しているのだ、それが伝わっているのだ、良い映画ではないか。」と評価を変えるか、今悩んでいる所。
          

 記:2011.2.4 島乃ガジ丸
 追記:2011.2.5
 昨夜のKRからのメールには『トイレット』、『めがね』、『プール』などの映画作品名があった。確か、いずれも昨年桜坂劇場で上映されていたもので、いずれも私が観たいと思って観に行けなかったもの。
 ちなみに、『トイレット』、『めがね』は荻上直子監督作品で、
 『プール』は大森美香監督作品とのこと。
 荻上直子の『カモメ食堂』は良い映画だった。映画についての詳しいことは書いていないが、2006.8.18付けのガジ丸通信「手練の女優」で映画を褒め、小林聡美を褒めている。小林聡美(たぶん、もたいまさこも)は仕草や表情で空気を作れる女優だと思う。『マザーウォーター』では残念ながら、その武器が十分生かされていなかったように感じた。