6月15日の朝、ラジオを点けると「えーっ!」と驚くニュースが聞こえた。「今日台風が発生し、明日には沖縄島へ最接近」とのこと。ネットで調べると、台風の発生箇所は台湾のすぐ近く。地球温暖化で台風発生場所も北上したようだ。
私が使っていた300坪の畑、そのあとを継いでくれたGさんにとっては初の畑台風対策となる。電話して手伝いに行く。生まれたばかりの台風が、1日で強力台風になるとは思わなかったが、地球温暖化で海水温が上がっているということなので、ひょっとすると1日でぐんと成長するかもしれない。ということで、まあまあのグレードの台風対策となる。日頃体を動かしているGさん(70代なのに)は涼しい顔でやっていたが、日頃運動不足(腰痛のせいです)の私は1時間で汗びっしょり。
しかしそれにしても、発生した台風が翌日には襲ってくるなんて、真面目に考えると恐ろしいこと。家にいる時に台風が襲ってくるのであれば、家の台風対策はできる。あるいは、旅に出る前に「数日後に台風が沖縄島近辺にくるかもしれない」という予報があれば、台風対策を済ませてから旅に出る。しかし、「台風がくるかも」という予報がなければ何の対策もせずに旅に出て、旅先で「今日台風発生、明日沖縄島を襲う」を聞いても何もできない。帰ってから悲惨な状況を見ることになる。
畑も似たようなもの、畑の近くにいれば「今日台風発生、明日沖縄島を襲う」と聞いたならすぐに畑の台風対策ができるが、畑から車で20分以上(今の私がそう)かかる所に住んでいると、そう簡単では無い。既に風雨が強くなっていたら車を運転するのは危険、風はさほど強くなくても、大雨の場合は現場での作業が危険。
台風6号、「明日には沖縄島へ最接近」のその明日となった16日、朝から雨、風も次第に強くなるが、お昼頃には風は弱まり、お昼過ぎには雨も止んだ。止んだどころか、青空が見えて太陽も顔を出した。ネットの天気図を見る限りではこの時間、台風は沖縄島に最接近だ、「ん?台風の目ってことか?」と一瞬思う。が、しかし、ちょっと賢い(自分で言う)私は、「暴風圏も無いような勢力の弱い台風に目なんぞできない」と気付く。勢力の弱い台風は「返しの風」もごく弱く、ほとんど傷を与えずに去ったようだ。
台風は高い海水温をエネルギー源として発達すると聞いている。であれば、生まれたばかりの台風はこれから発達するということなので勢力は弱い。であれば、沖縄近海で台風が発生し、翌日には沖縄を襲うことが普通になったとしても恐れるには及ばない。
のであるが、例えば、地球温暖化で海水温がさらに高くなり、沖縄近海で発生した台風が急速に発達し、その日の内に暴風圏を持つ大人の台風となって、翌日には沖縄を襲うなんてことが近い将来あるかもしれない。そうなると、近い将来の台風対策はこれまでよりずっと大きな危険が伴うことになる。命がけの台風対策となる。
温暖化の危険はもちろん、台風だけでは無い。農業を考えると危険はいっぱい。今までできていた作物が環境変化でできなくなる。あるいは、今までその地になかった病害虫に襲われ作物が収穫できなくなる。そういう怖さがある。それは老人の心配性によるものかもしれないが、最近の地震の多さにも何か明日への不安を感じてしまう。
記:2018.6.18 島乃ガジ丸