唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ボーイング社がMRJのカスタマー・サポートを提供
6月22日、三菱航空機とボーイング社が、三菱航空機が開発を進める国産初のリージョナルジェット機MRJのカスタマー・サポートをボーイングが提供することで合意したこと、さらにその業務体制を開催中のパリ・エアショー会場において発表した。
この合意に基づき、ボーイング社の民間航空機部門、ボーイング・コマーシャル・アビエーション・サービセズが、MRJの部品調達・在庫計画の策定、現地サービスを含めた各種サービスの運営などのカスタマー・サポート サービスを提供すると云う(マニュアル作成ではサーブと契約済み)。
エアラインが新規の航空機を導入する際にもっとも重要になるのがそのメーカーの「サービス性能」であろう。つまり、最少の予備機でメンテナンスを含めていかに効率の良い運航ができるかである。その意味で、航空機単独の性能ではなくメーカーの力が重要になる訳で、新参メーカーは大きなビハインドを負うことになる。
今回、三菱航空機とボーイング社の提携はそのビハインド解消に大きな力となる事だろう。それは取りも直さずMRJの性能には興味を持ちつつ、メーカーである三菱航空機に対する不安感から発注を躊躇しているエアラインや航空機リース会社の背中を押す大きな力となることは間違いないだろう。
17日に、香港の航空機リース会社ANIから5機の90席型MRJ受注のニュースをご紹介したばかりだが(see here)、今回の三菱航空機とボーイング社の提携により現在130機となっている受注数がさらに大きく上積みされることを期待せずにはおられない郷秋<Gauche>である。
今日の一枚は、MRJのご先祖様でとも云えるYS-11。信頼性の高い機体でありながら販売が思うように伸びずに、ついには生産会社も解散せざるを得なかった悲運の旅客機でもある。だからこそ、YS-11の二の舞とならぬよう万全の態勢で売り込みに注力しているMRJなのである。