唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
コダックが経営破たん
イーストマン・コダック社(写真のフィルムで有名だった、あのコダック)が19日、連邦倒産法第11章(chapter 11)の適用をニューヨークの裁判所に対して申請したと発表。chapter 11は日本の民事再生法に相当するものだ。要するに破算したけれど、事業を整理しながらなんとか再生の道を探ろうと云う事なのだろうが、再生は難しいだろうな。
そもそもフィルムの需要がないんだから、需要がある中で経営破たんした、例えばJALが短期間で再上場しようかと云うのとは訳が違う。とは云っても、最近のコダック社の売上の内、フィルムなど写真感光材が占める割合を郷秋<Gauche>は知らない。もっとも、他に売れていた物があるかと云うと、そう云う話しも聞こえて来てはいなかったから、やっぱり売れている物がないのだろう。
と云う訳で、今日の一枚は、コダックのフィルムが入っていた缶。もっとも、これがなんだかわかるのは、相当古い写真愛好に限られるだろうから、ちょっと解説を。
35mmフィルムは、パトローネと呼ばれる小さなケースに詰められて売られている。それをカメラにセットして、出ている「ベロ」を巻き取り筒のスリットに挟み込んで何枚か空撮りすることでフィルムのセットが終了するのはご存じだろう。フィルムをパトローネに詰めたことにより明るい所でも扱えるようになり35mmフィルムが爆発的に普及した訳だが、少量のフィルム(24枚分とか36枚分)をパトローネに詰めるために結果として割高となった。
ならば小分けにされていない長いままのフィルムを買って来て自分で必要な分だけパトローネに詰めれば割安に使えるだろうと云うことで登場するのが缶入りの「長尺フィルム」である。直径11cmの缶に100フィート(30.5m)入っていて、パトローネに36枚分ずつ詰め込むと17本分くらい取れたはず。通常の36枚撮りのフィルムの半額近くになるので、学生時代には随分愛用したものです。
それにしてもこの缶、30年の年月を経てすっかり黒光りしていますが、もとは綺麗なシルバーだったと記憶しています。今でも買い置きのボタン電池や「ネジ」入れとして現役で活躍しています。