唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ペンタックスK-01は美しくないかも
Photo RumorsにPENTAX(ペンタックス)の新しいミラーレスカメラ、K-01は「こんな感じだ」と云うイラストが掲載されていた(see here)。
はっきり云って、不細工だ。正面から見た図はなんて事のない今どきのデジタルミラーレス一眼だが、上から見た形が何とも感心できない。右手で持つシャッターボタンのある辺りはごく普通のミラーレス一眼なのだが、レンズマウント部分だけ異常な厚みを持っているのだ。だから、上から見ると実に不格好なカメラに見えるのだ。
しかしだ、考えてみればボディのレンズマウント部分だけが厚くなっているのは当然の結果。つまり、K-01がミラーレスでありながら、ミラー有りのSLR(一眼レフ)用、つまりK-5と同じKAFマウント、レンズを使うことになっているからである。
SLRでの使用を前提に設計されたKAFマウントのフランジバックは45.46mmであるが、レフレックス機構を持たない「ミラーレス一眼」のフランジバックは、一般的に18~20mmである。K-01はミラーレスなのでフランジバックは本来20mmもあれば十分なはずなのに、45.46mmのKAFマウントレンズを使おうとすることから、マウント部分については25mm程度かさ上げ、つまり厚みを持たせなければならないことになるのだ。その結果、他の部分に比べてマウント部分だけが異様に厚い、不格好な姿となってしまっている。
ただ、致し方ない事情もペンタックスにはある。DSLRとミラーレスの両方をラインナップしているカメラメーカーは、SLRとミラーレスのフランジバック寸法の違いから、Nikon(ニコン)においては、Fと1、ソニーにおいてはαとE、オリンパスにおいては4/3とM4/3と云うように、それぞれ専用のマウントを備えたレンズをシリーズで用意している。
注:ニコンの場合、SLR用にはイメージサークルの大きさの違いによってFX用とDX用の2シリーズが存在しているので、1マウント用を入れると3系統のレンズを用意していることになる。
しかし、2系統のレンズを用意すると云う事は、ニコンのような大手のカメラメーカーにとっても相当な負担になることは間違いない。ペンタックスは、ミラーレスに進出するに当たって、自社の経営規模、財務内容、シェアなどを考えた結果、フランジバックの短い、新たなマウントを策定するのではなく、カメラボディが不格好になることに目をつぶり、これまでのKマウントのレンズ資産を生かす方を取ったのである。
タイトルを「美しくないかも」とし、本中にも散々不細工だ不格好だと書いたけれど、ミラーレスでありながら45mmものフランジバックが必要となるアンバランスを、ペンタックスのデサイナーがどう消化解決し、あるいはこれを逆手に取った、どんなユニークな形を見せてくれるのか、実は密かに楽しみな郷秋<Gauche>なのである。
例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、雪の後のなるせの森の谷戸の畑。日当たりの良し悪しがが一目で見て取れる。