心は、青春!

「青春とは、人生の青年期ではなく、向上心を持ち努力を続ける心の在り方!」と言うサムエル・ウルマンの詩に感銘を受け命名。

キヤノン主催竹内敏信氏講演会へ行った。

2007-01-07 18:42:50 | 写真
 キャノンからメールが届いて、竹内敏信氏の講演会が品川のキャノンビルで開催されるとのこと。仕事上竹内氏の写真画像は取り扱っているので一度生の声を聞かせていただこうと出かけた。
午後1時半から3時半までの予定だったが、早く着きすぎてギャラリー内でコーヒーを飲んでから着席した。

雑誌などで時々お見かけしたヘアースタイルで登場、カメラマンらしく堅苦しい挨拶など無し。挨拶と能書きの後、デジタルカメラで撮影された最近の日本の風景を続々と紹介された。見事な仕上がりと木訥としたおしゃべりで物事の本質を突かれる話し方はさすがに第一人者の貫禄であろうとお見受けした。

只作家の方々の例に漏れず、デジタルのデータ保存が不安なのでアナログ礼賛に終始されていた。
特に色の判断は助手の方のプリントを見て判断されているとのこと。多分インクジェットでの色の判断かと推察するが、緑の階調がデジタルカメラが不十分などと言う判断をされていた。
個人的には銀塩ポジフィルムをドラムスキャナーでスキャニングした色とキャノンのデジタルカメラで撮影された緑色と比較してフィルム出力したり、銀塩プリントする限り見劣りすることはないと思っている。只これをインクジェット出力すると明るくなりすぎて階調が少なくは見える。出力メディアの特性とデジタルカメラの特性が混同されていたのではないかと推察した。

又データ保存が不安定で写真は160年の歴史があるとの判断だったが、160年の歴史があるのは白黒写真であってコダック社のコダクロームですら60年ほどの歴史でしかないのではないかと思う。長期保存を真剣に考えるならば、一番は、零下18度湿度40%と言う設定がスミソニアン博物館やアメリカコダックから情報を仕入れられてビル全体を施された団体の例が最上であろう。
総理の写真などの保管をされている官邸写真室では、確か摂氏18度、湿度40%と言う恒温室を作られ保管されているとテレビで放映されていた。
写真のフィルムは夏の高温多湿と冬の低温低湿度を繰り返すことが良くないと聞いた。
デジタルデータはどのような保存が良いのか検証する必要があるが、少なくともフィルムと同様に温度や湿度にも留意した上での話をされるべきだったのではないかと思う。30円のCDやDVDに保存できるはずがない!と言う信条は何となく理解できるが正しくはないと感じている。

現時点では、アナログカメラは進歩を止めている。銀塩フィルムも製造数が大幅に減り、安定度も徐々に落ちて行くと考えられる。デジタルカメラは、今月も全く新しい方式のカメラが産声を上げようとしている。であれば、デジタルカメラのデータをどうすれば長く保存できるか検証を始める方向で話が聞きたかった。

ちなみに私たちは、データ保存の書き込み速度を極力低速にしている。書き込みの速度により安全性が変わってくる可能性があると信じているからです。
(ちなみに、車で聞く為にCDコピーをすることがある。その際の書き込み速度は、遅いほど原音と近いことを個人的には確かめて居る)従って、仕事に使う貴重データやお客様へ納品するデータは、16倍速の書き込みなど絶対に使用しない。最速で4倍、重要データは2倍速で保存している。もし読み込みが巧く行かないときも最新のコンピュータのDVDドライブへエラーで読み込まないCDを入れて読み取り可能になったこともある。そしてすぐにコピーすればいいわけである。
デジタルの一番のメリットは、コピーしても画質が落ちないことである。
DVDやCDが10年しか持たないのであれば、9年ごとにコピーを繰り返せばいいだけの話であろう。アナログでは絶対になし得ないデジタルの優位性である。
メリットとデメリットの組み合わせを検証して、育てていく発想が必要と感た。

しかし、質疑の中での歯切れの良い応答と思い切りの良さは見習わなければと感心した。

ちなみに参加者は約450名くらい、殆どが団塊の世代とお見受けした。ちなみに私の写歴は45年。その割に風景写真は苦手。今年は、撮影の勉強をしよう・・・。