玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

悪夢のような3ヶ月

2011年07月14日 | 日記
 まもなく東日本大震災から三カ月が経とうとしている。復興への道のりは遠く、福島第一原発事故の収束のめどもたっていない。激震は被災地の人達にとってだけでなく、我々にとっても未だに続いている。
 それにしても悪夢のような三カ月だった。震災から九日後の三月二十日には越後タイムス前主幹の吉田昭一さんが亡くなった。それから一月と十一日後の五月三十一日には「北方文学」の創始者の吉岡又司さんが亡くなった。
 大震災の混乱の中で、二人の先代を失ってしまった。今年は越後タイムス創刊百年の年であり、記念すべき良い年にしたいという目論見は見事にはずれた。それどころか、これまでの人生で最悪の年となってしまった。
 創刊百年にあたっては、記念講演会とパーティーをと考えていたが、とても祝宴を開く気持ちになれない。記念事業としては二月の「鬼灯」公演と、五月の「巖谷國士氏講演会」を実現できたので、それでお許しをいただきたい。
「越後タイムス」には、まだ十年携わってきただけだが、文学同人誌「北方文学」にはすでに三十五年以上関わってきたし、吉岡さんから編集を引き継いでからも十年以上が経っている。「北方文学」もまた、私にとって非常に重要な存在だ。
 今年は「北方文学」も昭和三十六年の創刊から、五十年目の年であり、平成二十三年は二重の意味で記念の年で、良い年にしなければならなかったのに残念でならない。しかし、「北方文学」六十五号・現代詩特集を中央の詩誌に優るとも劣らない、充実したものにできたことを、亡き吉岡又司さんとともに喜びたいと思う。

越後タイムス6月10日「週末点描」より)


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