柏崎駅前で仲間と飲み、長岡方面から来た数人が十八時三十七分発の電車に乗るのを見送ると、越後線柏崎発十八時四十分の電車があることに気づいた。
「ああ、これなら三分ちょっとで家に帰れる」と思い、列車に乗り込んだ。我が家は越後線東柏崎駅から歩いて三十秒足らずのところにあり、越後線はよく利用している。昼間の本数が少ないことを除けば、大変便利な鉄道なのだ。
電車が発車するのと同時に眠り込んでしまったらしい。気が付くと車内アナウンスが「次は石地、石地でございます」と言っている。「しまった。またやった」と思った。酔って眠ってしまい、乗り越してしまうという失敗を若い時にはよくやった。
長岡から乗り、柏崎を通り過ぎて直江津で目を覚ますという失態を何度演じたことだろう。柏崎に戻る電車がなくて、直江津からタクシーで帰宅したこともある。最悪だったのは青海川で目を覚まし、あわてて降りてしまった時だ。
柿崎まで行けばタクシーもあるのに、帰る手段がない。仕方なく歩いて米山大橋を渡ったが、お先真っ暗で、悲惨な気持ちになってくる。冬だったので寒くて凍えそうだった。そんな時、通りかかったタクシーに拾われて、凍死を免れた。
石地の手前で目を覚ました時は、まだ早い時間だったので「次の柏崎行きに乗ればいい」と冷静だった。時刻表を見ると、石地発十九時二十六分の電車がある。礼拝│西山│刈羽│荒浜│西中通│東柏崎と、電車の旅を楽しんだ。
ところで越後線はちょうど百年前の大正元年から翌年にかけて全線開通しているが、柏崎│石地間は大正元年十一月十一日に開通した。各駅はその時に開設されたもので、西中通駅はまだなかった。東柏崎駅は比角駅から改称されたものだ。
今年は記念のイベントも予定されているそうだが、往時に比べ、利用率は激減している。石地から東柏崎まで乗客は私一人だった。
「ああ、これなら三分ちょっとで家に帰れる」と思い、列車に乗り込んだ。我が家は越後線東柏崎駅から歩いて三十秒足らずのところにあり、越後線はよく利用している。昼間の本数が少ないことを除けば、大変便利な鉄道なのだ。
電車が発車するのと同時に眠り込んでしまったらしい。気が付くと車内アナウンスが「次は石地、石地でございます」と言っている。「しまった。またやった」と思った。酔って眠ってしまい、乗り越してしまうという失敗を若い時にはよくやった。
長岡から乗り、柏崎を通り過ぎて直江津で目を覚ますという失態を何度演じたことだろう。柏崎に戻る電車がなくて、直江津からタクシーで帰宅したこともある。最悪だったのは青海川で目を覚まし、あわてて降りてしまった時だ。
柿崎まで行けばタクシーもあるのに、帰る手段がない。仕方なく歩いて米山大橋を渡ったが、お先真っ暗で、悲惨な気持ちになってくる。冬だったので寒くて凍えそうだった。そんな時、通りかかったタクシーに拾われて、凍死を免れた。
石地の手前で目を覚ました時は、まだ早い時間だったので「次の柏崎行きに乗ればいい」と冷静だった。時刻表を見ると、石地発十九時二十六分の電車がある。礼拝│西山│刈羽│荒浜│西中通│東柏崎と、電車の旅を楽しんだ。
ところで越後線はちょうど百年前の大正元年から翌年にかけて全線開通しているが、柏崎│石地間は大正元年十一月十一日に開通した。各駅はその時に開設されたもので、西中通駅はまだなかった。東柏崎駅は比角駅から改称されたものだ。
今年は記念のイベントも予定されているそうだが、往時に比べ、利用率は激減している。石地から東柏崎まで乗客は私一人だった。
(越後タイムス5月10日「週末点描」より)
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