ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

年金不支給取り消し訴訟:診断書なく不支給は誤り 過去の受給権認定--神戸地裁

2011年01月14日 02時00分53秒 | 障害者の自立
 ◇障害基礎年金、診断書なく不支給は誤り

 難聴で身体障害者手帳3級を持つ女性(63)=神戸市西区=が、20歳の時には障害基礎年金を受給できる程度の障害があったのに、当時の診断書がないことを理由に国が07年の申請以前にさかのぼっての支給はしないとした処分は誤りだとして取り消しを求めた訴訟で、神戸地裁は12日、原告の主張を認め、処分を取り消す判決を言い渡した。栂村明剛(つがむらあきよし)裁判長は「診断書がなくても、他に障害の程度を判断する合理的資料を得られる場合は認定できる」との判断を示した。
 原告側によると、親族らの陳述書や医師の意見書などを踏まえて、聴覚障害者の年金受給権を過去にさかのぼって認めた司法判断は極めて異例という。
 判決によると、女性は3歳のころ両耳の聴力が著しく低下。補聴器なしで生活できず、20歳のころ「一生治らない」と診断された。6歳で身障者手帳の交付を受けたが、聴力レベルに関する診断書は残っていなかった。
 07年に国民年金受給手続きをした際に障害基礎年金を初めて知り、20歳で受給権が発生したとする裁定を請求したが、却下された。
 国民年金法では、障害基礎年金は20歳未満で初診を受け、20歳に達した時点で障害がある場合に支給され、日本年金機構(旧社会保険庁)は診断書の提出を必要としている。栂村裁判長は、原告の知人らの証言などから認定した。
 女性は障害基礎年金制度上の2級に該当し、09年度の年金額は年79万2100円。
 「無年金障害者の会」(兵庫県尼崎市)によると、カルテがないため障害基礎年金の受給を受けられないという相談は多いという。


毎日新聞 2011年1月13日 東京朝刊

障害者美術展:岡崎特命担当相が視察--近江八幡 /滋賀

2011年01月14日 01時55分17秒 | 障害者の自立
 近江八幡市永原町のボーダレス・アートミュージアムNO-MAで16日まで、県内の福祉施設による合同美術展が開かれている。12日には岡崎トミ子・内閣府特命担当相が視察。障害者が作り出す造形の世界に見入り、「表情が豊かで面白い」と語った。
 県内17施設の職員らが実行委員会を組織し、自閉症や知的障害のある人たち25人の作品約120点を展示している。利用者の趣味を知った職員のひらめきが生きた作品もある。毎日のプロ野球中継のスコアや解説者、放送局名などを克明に書き取った甲賀市の大山康博さん(23)の膨大なメモは、張り合わせて天井まであるアートに生まれ変わった。
 NO-MAを運営する県社会福祉事業団の北岡賢剛理事長は「障害の特性があるからこそ現れる芸術があることを知ってほしい」と話している。観覧料200円。

毎日新聞 2011年1月13日 地方版

視覚障害者に飲食メニューを音声で案内

2011年01月14日 01時52分01秒 | 障害者の自立
 目の見えない人のために飲食店のメニューを音声で案内するCDを、市民ボランティア「ユニーズ京都」(京都市北区)のメンバーが制作している。メニューが分からず、いつも同じ店で同じものを食べたり、外食を避けがちな視覚障害者が多いためで、「外出が楽しくなるきっかけになれば」と話している。

 点字メニューやアイヘルパーの普及を目指すユニーズ京都が今春から取り組み始めた。飲食店では家族などからメニューを聞くが、すべて読み上げてもらうわけにもいかず「選べない」が「選ばない」に習慣化し、外食を避ける人も多い。音声メニューのCDなら、自宅で聞いてから外出できる利点がある。

 音声メニューは、飲食店と相談して、献立名だけでなく、味わいや材料の産地なども加えている。現在は京都高島屋(下京区)、大丸京都店(同)や前田珈琲(中京区)などまだわずかだが、増やしていきたいという。メンバーの田所弘子さん(63)=左京区=は「イメージがわきやすいようにコーヒーの酸味や苦みの特徴まで伝わるように工夫しています」と話す。

 CDを手にした浜崎孝正さん(75)=北区=は「点字も読めず、よく知る近くの店しか行かなかった。音声メニューを聞いて、どこで何を食べようかと考えるのがとても楽しみ」と喜ぶ。代表の大西正広さん(66)は「京都に観光に来る視覚障害の人にも活用してほしい」と話している。

 CDは無料で郵送する。協力店や音訳ボランティアを募集中。問い合わせはユニーズ京都TEL075(722)6484。

京都新聞

就労支援:透析患者や身体障害者ら、「きぼう」胸に生き生き--宮崎の産直所 /宮崎

2011年01月14日 01時48分22秒 | 障害者の自立
 ◇「仕事がうれしい」笑顔で接客

 昨年10月、宮崎市松橋の住宅街の一角に新鮮な野菜などを売る生産者直売所がオープンした。店名は「きぼう」。働いているのは、透析患者など身体に障害のある人たちだ。治療のため、就労を断念せざるを得なかった人たちが新しい職場で買い物客を笑顔で迎えている.
 透析患者らでつくる一般社団法人きぼう(鈴木竜之介理事長)が運営する就労支援事業所。
 ガラス張りで明るい店内は約30坪。会員が生産したアシタバのお茶や粉末のほか、農家が持ち寄った大根、白菜、ネギなど約50種の商品が並び、50~70代の26人が商品の陳列や販売をしている。
 管理者の田中英治さん(50)は25歳から週3回の透析を今も続けている。職場の理解もあって仕事は続けられたが、透析による心身の不調には個人差があり、通院の負担で仕事を辞めざるを得ない患者も多い。県内の透析患者は09年末で3680人。高齢化で年約100人のペースで増えている。「患者が働き、語り合う場所を作りたい」と、昨年6月に宮崎市腎友会の協力で「きぼう」を立ち上げた。腎臓病患者らが運営する就労支援事業所は全国的にも珍しいという。
 オープン当初から働く宮崎市の杉田ユキ子さん(66)は53歳から人工透析を受けている。「透析後は体がだるくて吐き気がする。死ぬまで透析が続くと知って、がけから突き落とされたようなショックだった」。ゴルフ場でキャディーとして働いていたが、週3回の通院のために1日置きに仕事を休まざるを得なくなって会社を辞めた。職業安定所に行ったが、条件に合う仕事は見つからなかった。「きぼう」では、ローテーションを組んで1日置きに出勤し「今はとにかく仕事ができるのがうれしい。体を動かして仲間とおしゃべりすると不思議と体調も良くなる」と話す。
 きぼうには、脳梗塞(こうそく)で体が不自由になった障害者たちも働く。また、高齢者宅への配達サービスを実施するなど地域とのつながりも深めつつある。田中さんは「運営を軌道に乗せて、就労の場を各地に広めたい」と意気込む。お店は0985・72・8200。

毎日新聞 2011年1月13日 地方版

【震災障害者は今】(3)下敷き長く脳機能が…無理解・孤独、幾重も“壁” 

2011年01月14日 01時34分22秒 | 障害者の自立
 行政支援の「空白地帯」に置き去りにされてきたといっていい震災障害者。さらに行政側の原因に加え、障害自体の認定に何年もかかるケースや、原因の特定が難しいケースなど「障害」と簡単にひと言で語れないほど多岐にわたること、また障害者自身が声を上げないケースなど、「壁」は一つではない。

 「娘が負った障害は、世間に気づいてもらえないものだったんです」

 神戸市北区の主婦、城戸美智子さん(58)は、震災で高次脳機能障害を負った長女の洋子さん(30)についてこう話す。

 自室で就寝中、洋子さんは地震で倒れたピアノの下敷きになり、生死の境をさまよった。10日後に意識は戻ったが、おしゃべり好きだった面影はなかった。会話が続かず、簡単なことが覚えられない。「見かけは元気でも、元の洋子ではなかった」と美智子さんは表情を曇らせる。

 いくつもの病院を回ったが、高次脳機能障害と診断されたのは震災から6年もたった平成13年。今、企業で働いて自立を目指す洋子さんを、美智子さんは不安そうに見守る。

 「障害自体が福祉の谷間に落ちていて、世間からも見放された。どう死のうかと考えた時期もあった」

 1月19日、全壊した自宅のがれきの中から救出された神戸市灘区の植村貴美子さん(80)。今も後遺症で右足には激痛が走るが、「震災では多くの人が亡くなった。たとえ障害が残っても、私は助かっただけ幸せ」と話し、自己主張を控えている。

 2人を含む震災障害者や家族が今、集まって思いを打ち明け合える、つまり精神的な“受け皿”の役割を果たしているのは、震災障害者やボランティアでつくる「よろず相談室」。平成19年以降、毎月1回のペースで開かれる。

 牧秀一理事長(60)は「震災障害者や家族らには相談相手がなく、孤独だった人が多い。同じ境遇の被災者に出会えただけで涙した人もいた」と話す。

 実態調査が始まっても、行政の今後の支援に“光”がみえたわけではない。支援策は明らかではなく、追加認定もしない方針だからだ。それでも、牧理事長や城戸さん、植村さんらは、行政に期待を寄せる。

 「行政はやっと気づいてくれた。震災障害者の存在を教訓として将来に生かし、今後の災害に備えるべきだ」

MSN産経ニュース