災害時、ラジオやテレビなどで必要な情報が得にくい聴覚・視覚障害者のために、動画配信サービス「ユーストリーム」で手話と声を生中継して、災害情報を流す訓練が11日、大阪府大東市であった。全国でも珍しい試みで、関係者は「障害者が情報過疎になるのを防ぐ手段になれば」と期待を寄せる。
「豪雨で川が増水し、浸水する危険性があります」。社団法人・大阪聴力障害者協会が市の委託で運営する障害者生活支援センター。パソコンに接続された小型ビデオカメラの前で、西滝憲彦所長が手話で情報提供を始めた。同じ情報が音声やメール、簡易ブログ「ツイッター」でも流れ、聴覚障害者4人がスクリーンに映る手話に見入った。
映像はパソコンや一部のスマートフォン(多機能携帯電話)で視聴できる。ユーストリームはネットを通じて生中継できるのが最大の特徴。テレビ局など専門企業以外は難しかった生中継が容易になった。手話と音声が同時に送れるうえ、文字より細かいニュアンスが伝わりやすいと考え、同センターが障害者支援への活用を思い立った。
手話を使える支援者の数が少ない中、多数に向けて生中継できるメリットは大きいが、大規模災害では通信機器が使用不能になる可能性があるうえ、利用する側に習熟も必要だ。支援員の塩浜浩美さんは「まだ課題は多いが、情報を得る手段が多くなればその分、命綱が太くなる。新しい技術も採り入れ、実用化していきたい」と話す。
朝日新聞
「豪雨で川が増水し、浸水する危険性があります」。社団法人・大阪聴力障害者協会が市の委託で運営する障害者生活支援センター。パソコンに接続された小型ビデオカメラの前で、西滝憲彦所長が手話で情報提供を始めた。同じ情報が音声やメール、簡易ブログ「ツイッター」でも流れ、聴覚障害者4人がスクリーンに映る手話に見入った。
映像はパソコンや一部のスマートフォン(多機能携帯電話)で視聴できる。ユーストリームはネットを通じて生中継できるのが最大の特徴。テレビ局など専門企業以外は難しかった生中継が容易になった。手話と音声が同時に送れるうえ、文字より細かいニュアンスが伝わりやすいと考え、同センターが障害者支援への活用を思い立った。
手話を使える支援者の数が少ない中、多数に向けて生中継できるメリットは大きいが、大規模災害では通信機器が使用不能になる可能性があるうえ、利用する側に習熟も必要だ。支援員の塩浜浩美さんは「まだ課題は多いが、情報を得る手段が多くなればその分、命綱が太くなる。新しい技術も採り入れ、実用化していきたい」と話す。
朝日新聞