ゴエモンのつぶやき

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支援手探り…発達障害の大学生

2017年05月08日 02時06分09秒 | 障害者の自立

 発達障害の大学生が増えている。入学後、人間関係がうまくいかなかったり、授業の履修計画を立てられなかったりするなどの問題を抱え、退学してしまうケースもあるという。昨年4月には障害を理由とする差別を禁じた「障害者差別解消法」が施行され、大学側は対応を求められるようになった。各大学の実態と課題を探った。

 ■10年で32倍

 2月16日、下京区の公益財団法人「大学コンソーシアム京都」で開かれた「関西障害学生支援担当者懇談会」。関西各大学の担当者が年2回集まる会合で、発達障害の学生を取り巻く現状や支援のあり方について活発な意見が交わされた。

 日本学生支援機構によると、発達障害の大学生(短大、高等専門学校含む)は2016年度で4150人にのぼり、06年度(127人)の約32倍。発達障害の認知が広がったことなどが背景にあり、関西でも同様の傾向にある。

 懇談会では、ある大学から、「先生に質問したいので一緒に来てほしい」と学生に相談された事例が報告された。学生は教授と1対1で話をすることに精神的な負担を感じるのだという。別の大学からは「時間割が組み立てられない」との相談が年100回以上ある、との報告があった。

 同様の相談は各大学とも増え、懇談会では、支援のあり方に頭を悩ます担当者の声が多く聞かれた。

 ■個室で対応

 障害者差別解消法は、国公立大には障害のある学生に不当な差別的扱いを行わないことと合理的配慮をすることを義務付け、私立大にも努力義務を課した。

 施行前から各大学で支援が進んでおり、龍谷大(伏見区)は14年に「障がい学生支援室」を開設。学生の緊張を和らげるため、横になれるソファや一人になれる個室を設けた。「気軽に相談し、大学生活のペースをつかんでほしい」と支援コーディネーターの滝本美子さんは話す。

 同志社大(上京区)では、臨床心理士が学生と教員をつなぐコーディネーターとなり、教員らに授業の録音や録画の許可を求めたりしている。また、入学直後に問題を抱えるケースが多いため、合格後から相談に訪れるよう呼びかけ、履修登録の支援などを行っている。

 ■少ない窓口

 ただ、全ての大学で支援体制が整備されているわけではない。

 日本学生支援機構の調査(16年度)では、障害がある学生の支援情報をホームページ(HP)などで公開している大学(短大、高専含む)は全体の45・7%で、何らかの支援窓口があるのは66・6%。大学コンソーシアム京都によると、府内でも専門窓口をHPで公開しているのは加盟47大学(短大含む)中7大学にとどまる。

 支援担当者と教員の間で情報が共有されていない大学もある。ある大学の担当者は「カウンセラーは守秘義務があり、個人情報を伝えることは慎重にならざるを得ない」と話す。

 大学コンソーシアム京都は現在、先進的な大学の取り組みをまとめ、各大学に紹介することを検討している。学生交流事業部の藤井啓太郎次長は「大学間の連携を強め、障害がある学生が十分な学びの機会を得られるよう、各大学を支えていきたい」としている。

発達障害 対人関係を築くのに困難を抱える「自閉症スペクトラム障害(ASD)」や、不注意が見られる「注意欠如・多動性障害(ADHD)」、読み書きや計算が苦手な「限局性学習障害(SLD)」などがある。生まれつきの脳の障害が原因とされる。文部科学省の2012年調査では、公立小中学校の児童・生徒の6・5%に発達障害の可能性があると指摘されている。

  ◇不安解消 一声かけて

 京都大障害学生支援ルームの村田淳准教授(福祉社会学)に支援のあり方を聞いた。

 Q 高校と大学の違いは。

 大学では、時間割を自分で選択し、教室や近くに座る学生も講義ごとに変わります。発達障害は、臨機応変な判断が苦手な場合があり、大学に入ってから困って相談にくる学生もいます。

 Q どのような支援が必要ですか。

 大学では近年、集団で討議する授業が増えています。発達障害の学生は苦手な場合があり、教職員は発達障害への理解を深め、つまずいている学生がいれば、声をかけて不安を解消したり、相談窓口を紹介したりする必要があります。

 Q 進学時に心に留めることは。

 大学の支援体制を調べることも重要ですが、やはり自分が何を勉強したいかが大切です。自分で判断できない場合は、周囲としっかり相談してほしいと思います。

 

2017年05月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

知的障害ある息子の自死 「バカなりに努力しろ」メモに

2017年05月08日 01時55分42秒 | 障害者の自立

 小学生のころから一日も学校を休まなかった息子が、就職からまもなく自殺した――。浜松市西区の漁業鈴木英治さん(52)と妻のゆかりさん(50)が、次男航(こう)さん(当時18)の死の理由を問い続けている。航さんには軽度の知的障害と学習障害があった。

 航さんが、職場の自動車部品工場へ向かう途中で自殺したのは3年前の5月20日。その日、いつもより早く家を出た航さんは、通勤に使っていた午前7時20分の電車をホームでやりすごした。次の電車も見送り、同46分の貨物列車に飛び込んだ。駅の防犯カメラに映像が残されていた。

 航さんは、現場で教えられた仕事の手順などを細かくノートにメモしていた。その中にはこんな走り書きがあった。「バカはバカなりに努力しろ」

 航さんに軽度の知的障害と学習障害があるとわかったのは小学4年のときだ。通信簿はオール1。だが明るく、人なつっこい性格で友だちに好かれた。親や教師に言われたことはきちんと守る一方、融通や加減が利かない。高校で入った野球部や水泳部では倒れるまで練習を続けてしまうことが何度もあったという。

 高校卒業後、県内の大手自動車部品工場に障害者雇用枠で就職。「小中高と12年間、無遅刻・無欠席。本人もまじめで体力があることは自覚していたので、工場での単純作業なら向いていると思ったようだ」と英治さんは話す。

 だが、就職からわずか50日で航さんは自ら命を絶った。一体、何があったのか――。遺品のノートにあった「バカは~」の文字や、その後の会社とのやり取りの中で、両親の疑念はふくらんでいったという。

写真・図版 

航さんのノートには「バカは、バカなりに努力しろ。」との言葉が記されていた

2017年5月7日   朝日新聞


広がれ「ヘルプマーク」=気付きにくい障害に配慮を-タグ作成、全国に普及

2017年05月08日 01時47分02秒 | 障害者の自立

 「赤地に白の十字とハートマーク」を見かけたら、思いやりと配慮を-。内部疾患や、目や耳が不自由といった一見して気付きにくい障害のある人が、周囲に支援を求めやすくなる「ヘルプマーク」。10都府県が配布したり、導入を予定したりしており、助け合いの印として広がりを見せている。

 ヘルプマークは2012年、人口股関節を入れた東京都議が都に提案したことから誕生。名刺サイズの樹脂製タグで、かばんなどに付ける。裏面に症状や緊急時の対応などを記入したシールを貼ることができ、これまで約17万個を都営地下鉄の駅などで配布した。
 都は、ヘルプマークを見かけた場合、電車やバスの席を譲る▽困っている様子だったら声をかける▽災害時は避難などの手助けをする-などの行動を取るよう求めている。下川明美・共生社会推進担当課長は「最初は勇気がいるかもしれないが、一声で助かる人はたくさんいる」と話す。
 昨年4月に障害者差別解消法が施行されたこともあり、取り組みが拡大。市町村レベルでも、栃木県日光市がヘルプマークを入れた災害時用のベストを視覚障害者に配布するなど活用が進む。また、ホテルやデパートなど民間でも社員研修や普及活動が行われている。
 経済産業省は、JISの図記号として登録を検討中。7月にも正式決定する予定で、全国統一のデザインとして利用を促したい考えだ。
 先天性の心臓病患者で、都内に住む男性会社員(51)は2年前、心室細動で倒れたのを機に、ヘルプマークを携帯。地下鉄に乗った際、席を譲られた。「立っているときついこともあるので、ありがたかった」。一方で、「マークを見ても意味が分からない人も多い。もっと認知度が上がれば」と語った。 

障害者らが携帯し、周囲からの支援を求めやすくする「ヘルプマーク」

時事ドットコムニュース   (2017/05/06)


脳損傷、物言えぬ夫の思い代弁 専門病床、もっと多く

2017年05月08日 01時33分09秒 | 障害者の自立

 交通事故による脳損傷で意識が戻らない「遷延(せんえん)性意識障害者」を受け入れている独立行政法人「自動車事故対策機構」の専門病床。手厚い看護やリハビリで、全く反応がなかった最重度患者の4人に1人が同障害から脱しているが、全国には8カ所290床しかない。「もっと増やしてほしい」。家族らは物言えぬ大切な人に代わって訴える。 

 「お父さん、調子はどう?」。京都府舞鶴市の病院。市内に住む江上寿美子さん(55)はほぼ毎日、仕事を終えると夫直(ただし)さん(57)を見舞う。3年前の交通事故で遷延性意識障害になった直さんは目を開けたまま、反応しない。それでも寿美子さんは体をさすり、タオルで顔や手の指を丁寧に拭き、一日の出来事をゆっくり語りかける。

 直さんは2014年7月、オートバイで帰宅中、右折しようと減速したところ、後続の乗用車に追突されて頭を強打し、脳を広範囲に損傷した。乗用車を運転していた70代の女がブレーキとアクセルを間違えたのが原因だった。女は有罪判決が確定したが、寿美子さんは「何不自由ない家庭」を失った。身長180センチと大柄で、風格を感じさせる調理師だった直さんの手足は棒のように細くなり、体重は30キロも落ちた。どんな声をしていたのか、忘れそうになることもある。

 回復を願う寿美子さんは事故後、インターネットで遷延性意識障害のことを調べていて、専門病床のことを知った。「交通事故障害の専門病院なら道が開ける」と期待した。だが、自宅から一番近いのは大阪府南部の泉大津市立病院の委託病床(16床)。車で片道約4時間かかり、とても日常的には通えない。「夫の日々の様子が分からなくなるのはとても不安。リハビリをするなら一緒に頑張りたい」。そう考える寿美子さんは専門病床への転院を決断することができなかった。

 「全国遷延性意識障害者・家族の会」(約300家族)は各都道府県に1カ所は専門病床を開設するよう、国土交通省や機構に陳情を続けてきた。桑山雄次代表(61)は「先駆的なリハビリ医療で26%の脱却率を達成している実績は素晴らしい」と評価する。

 一方で、桑山さんが問題視するのは地域格差だ。「四国や、江上さんが住む舞鶴市のある日本海側には1カ所もなく、近畿圏でさえ泉大津の16床しかない。明らかに偏りがある。自宅から通える距離なら入院させたいという家族は潜在的に多い。5床程度の小規模でもいいから、専門病床をできるだけ増やしてほしい」と要望する。

言葉は返ってこないけれど、夫の直さんの手を握り、笑顔で語りかける江上寿美子さん

 交通事故死者、重度後遺障害者、介護料受給資格者数の推移
 
毎日新聞  2017年5月7日

県内全公立校で五輪授業 2020年までに推進 国際感覚や障害者への理解、育む

2017年05月08日 01時28分37秒 | 障害者の自立

 県教委は2020年東京五輪・パラリンピックを活用した教育活動に取り組む指針をまとめ、公立学校に通知した。子供たちに国際感覚やスポーツの楽しさ、ボランティア精神、障害者への理解を身につけさせ、大会後も「無形のレガシー(遺産)」として引き継ぐ狙いだ。

  県教育推進課によると指針は、ボランティア精神とおもてなしの気持ちを育む「おもてなしプロジェクト」▽障害や年齢、国籍を問わず他者を理解する「心のバリアフリープロジェクト」▽スポーツの楽しさや感動を分かち合う「スポーツプロジェクト」▽自国と他国の歴史や文化の理解を深める「グローバルプロジェクト」--の四つを柱としている。

 公立学校の特色ある活動の一つとして各教科の中で推進する。例えば、「心のバリアフリープロジェクト」では、体育の授業でパラリンピック競技の「ボッチャ」や「シッティングバレー」などを体験して障害者への理解を深め、家庭科の授業では「ユニバーサルデザイン」について学ぶ。「グローバルプロジェクト」は、社会の授業で外国について調べ、英語の授業では外国人に道案内や日本文化を紹介する場面を想定して学習する。

 20年までに県内の全公立学校で取り組みを推進し、「志を持ち、失敗を恐れずチャレンジする人材」を育成する方針だ。

毎日新聞   2017年5月7日