2020年東京パラリンピックに向け、県と県障害者スポーツ協会は健常者と視覚障害者が協力して走行する2人乗り「タンデム自転車」の普及活動を本格化させる。パラリンピック自転車競技の正式種目だが、日本パラサイクリング連盟によると、全日本選手権の出場者は毎年、3、4組と少ない。県は裾野の拡大を目指し、ハンドル操作を担う「パイロット」の養成に乗り出す。
今月からは県内の視覚特別支援学校で体験乗車会も始める。
2人乗りタンデム自転車は二つのペダルとサドルを備え、前後に並んで乗車する。前方のパイロットがハンドル操作を行うため、視覚障害者も後部座席に乗ってサイクリングを楽しむことができる。ただ、視覚障害者が自転車に乗ることに対し、本人や周囲が「危険」とのイメージを持っていたり、パイロットが不足していたりするため、普及が進んでいない。2016年まで県内では公道走行が禁止されていた。
同協会は1月22日、静岡市葵区でパイロット養成に向けたプレ講座を開き、県内の自転車販売店主や特別支援学校教諭、県職員らが参加した。競技内容や交通ルールを学んだ後、実際にタンデム自転車を運転。後部座席の参加者はアイマスクを装着し、視覚障害者が自転車に乗った際の感覚を体感した。
タンデム自転車のパイロット養成に向けて開催されたプレ講座。座学と実技で競技への理解を深めた
2019/2/1 @S[アットエス] by 静岡新聞