障害の有無に関わらず、誰でも参加できるランニングチーム「三田X」の活動が活発化している。おととし12月に練習を始め、メンバーは約1年で5倍の50人ほどに増加。4月には、自閉症など発達障害への理解を深めてもらうイベントを企画しており、活動の輪が広がっている。
1月上旬、兵庫県三田市尼寺の有馬富士公園休養ゾーン。冷たい風が吹く芝生広場から元気な声が聞こえてきた。この日は、フォームを整える基本練習。コーチの井上憲一さん(56)の「肘を素早く振って」「かかとを引きつける」といったアドバイスを聞き、参加者はもも上げやダッシュを繰り返す。
発達障害のあるあかしあ台小3年男児(9)もメンバーの一人。母(43)は「障害があると部活への参加も難しくなるのでありがたい。生涯の生きがいになれば」と笑顔を見せる。知的障害のある男性(24)は入会後にタイムが速くなったといい、「周りの人も一生懸命だから刺激になる」と話す。
知的障害や視覚障害があるランナーは、マラソン大会などで安全のために伴走者と走る。しかし市内では伴走者のボランティアが少ない。そんな現状を知った市民ランナーの山田美由紀さん(60)が、障害者とボランティアが刺激し合えるようにと、おととし9月に「三田X」を結成。月2回、陸上経験のある2人が指導し、今は小学生から大人まで約50人が所属する。
国連が定めた「世界自閉症啓発デー」(4月2日)に合わせ、4月には市総合福祉保健センター(川除)をシンボルのブルーライトで照らす催しなども企画し、3月末まで寄付を募る。山田さんは「発達障害の人はすごく純粋だけど、伝えたり理解したりするのが苦手なだけ。少しでも分かってほしい」と呼び掛ける。
練習は毎月第2、第4土曜、有馬富士公園休養ゾーンなどで行っている。午前9~10時。
市社会福祉協議会TEL079・564・041
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足を上げるなどしてランニングを楽しむ参加者
2019/2/1 神戸新聞NEXT