ゴエモンのつぶやき

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障害者や高齢者の秋田観光手助け 窓口開設へ

2015年10月21日 01時16分55秒 | 障害者の自立

 秋田県観光連盟がユニバーサルツーリズムの普及に乗り出した。お年寄りや障害者ら旅行に配慮が必要な人たちのニーズを掘り起こし、観光の底上げにつなげるのが狙い。県内宿泊施設のバリアフリー化の調査を進め、2016年度には県単位では全国で初めて、専用の相談窓口「あきた旅のサポートセンター(仮称)」を開設する。(秋田総局・橋本智子)

<100施設を調査>
 県観光連盟は9月、県内の宿泊施設を回り、施設内のスロープや手すり、車椅子対応トイレの有無や、飲食場所のテーブルの高さなどの調査を始めた。12月末までに計約100施設を調べ、経営者に「浴場を一定時間貸し切りにする」といったユニバーサルツーリズムに必要な助言もする。
 15日には県観光連盟の職員3人が、車椅子の県職員男性とともに、由利本荘市の温泉保養施設「ぽぽろっこ」を訪問した。敷地内の出入り口の幅や段差を計測したほか、筆談や英語、点字対応の可否などバリアフリーツアーで重要な約90項目を確認。主要施設、設備の写真も撮影した。
 ぽぽろっこの伊藤晃智取締役支配人(58)は「全てのお客さまに喜んでいただけることが自分たちの役割。食事のアレルギー対応からテーブルの高さの調整まで、できる限り対応したい」と語った。
 県は本年度、バリアフリーに向けた改修工事を行う観光・宿泊施設に、経費の2分の1以内、最大500万円を補助する制度を導入。予算総額は3500万円で、旅館など10施設が人工肛門や人工ぼうこうの人に対応したトイレの整備や段差の解消などに充てる。

<震災以降伸び悩む>
 県観光連盟や県がユニバーサルツーリズムに力を入れる背景には、県内宿泊客数の伸び悩みがある。
 県観光統計によると、従業員が10人以上の施設を対象にした調査では、10年の宿泊客数が313万2000人だったのに対し、東日本大震災発生後の11~14年は270万人~280万人で推移。13年の大型観光宣伝「秋田デスティネーションキャンペーン」や、14年の国民文化祭といった企画を打ち出しても震災前の水準を取り戻せずにいる。
 県観光連盟の菅生淑子事務局長は「これからは誰もが自分に合った旅を組み立てられるようにサポートすることが、観光業にとって大切になる」と説明。「高齢化の進む県内では、バリアフリー化に取り組んできた施設が少なくない。情報を集約し、PRしなくてはいけない」と強調する。
 県観光連盟は調査結果を基に来年4月以降、英語に対応できる人材を含む専門職員2人を置くサポートセンターを県庁内に設ける。調査で撮った写真を公開し、施設ごとのバリアフリー情報を網羅したホームページも開設する。
 東北運輸局観光地域振興課の長沢秀博課長補佐は、震災以降の秋田の観光を「復興支援ツアーを行う被災3県や青森、山形に比べ、首都圏から新幹線で最も遠いこともあり苦戦が続く」と分析し、「新たなターゲットを呼び込むための今回の取り組みは注目を集めるはずだ」と期待する。

[ユニバーサルツーリズム] 高齢者や障害者、外国人など誰もが使いやすいよう配慮された交通手段や宿泊先を利用し楽しむ旅行。観光庁が2011年度に普及・促進事業を始めた。NPO法人日本バリアフリー観光推進機構(東京)によると、三重県の伊勢志摩エリアや仙台市など地域レベルでは全国で18団体が観光地のバリアフリー情報の相談窓口を設置している。

2015年10月20日      河北新報


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