056 水鳥の鴨は 2005-09-12 04:30:00 | 新古今集 男女関係において、古代・中世の女性は、つねに男性からの訪(おとな)いを基本としていたから、和歌を鑑賞するさいにも、そのことを忘れてはならない。この作品も作者は女性と分かっているから、鴨が幾夜も一人身で過ごすのは、という感傷はわが身に引き寄せて、という解釈の可能性を否定できない。 現代詠は口語としては消化不良か。【略注】○うき=「(水に)浮き」「憂き(世)」と掛ける。掛詞の定番。 ○河内(かわち)=皇女俊子(しゅんし)の女房。別名百合花。この1首だけ。