コンサート・ピアノは長い間、ヨーロッパ(オーストリア)のベーゼンドルファー(B)か、アメリカのスタインウェイ(S)かと、言われてきた。ところが第二次大戦後、敗戦国のヤマハ(Y)が目覚しい成長を遂げて、今日まで来た。TVなどでピアノ名を見ていると、SとYはしばしば目にするが、Bにはなかなかお目にかからない。
ちょうど一年前、ふとしたことで隣町(今は市)のホールでBのお披露目があった。Bの解説とミニ・コンサートで、聴衆はほぼピアノ演奏の関係者ばかり。詳細は省略するとして、一般に流布していた(私もそう思っていた)明音のS、暗音のBという印象は、この日、完全に消えた。
Boesendorfer 280。88鍵の最上級。鍵数だけはわがYと同じ。その上の 290 は97鍵。写真は、終了後に舞台で撮影。ストロボなし。レタッチなし。この質感は予想以上の出来。
読み:訪ひ=とい。酔ひ=えい。