悠山人の新古今

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094 思い出す有明

2005-11-01 05:00:00 | 新古今集

 高名な僧の「思い出の中の、遠い日の後朝[きぬぎぬ]の別れ」(小学版)を詠った作品。リメイクしている筆者も、タイピングしながら走馬灯が脳裏をよぎる。
 ひらかなy094:おもいだす ありあけづきに ただよった
          あのよこぐもの わかれのあさを
 ひらかなs1193:ありあけは おもひいであれや よこぐもの
          ただよはれつる しののめのそら
【略注】○有明=夜明け(の月を見ると)。
    ○ただよはれつる=漂っている。to be lying。有明の月と横雲が、見る見る離れ
    ていくように、別れるのがつらい。
    ○しののめ=夜明け。暁。美しいやまとことばのひびきがある。漢字表記は「東
    雲」。ドイツ語では Morgenrot(モルゲンロート)、反対語は Abendrot(アーベント
    ロート)。山行などでもよく使う。英語では morning glow。やはり「しののめ」には
    かなわない。
    ○西行=悠 006 (07月04日条)既出。
【補説】しののめ/東雲 ①一説に、「め」は原始的住居の明り取りの役目を果してい
    た網代様(あじろよう)の粗い編み目のことで、篠竹を材料として作られた「め」が
    「篠の目」と呼ばれた。これが、明り取りそのものの意になり、転じて夜明けの薄
    明り、さらに夜明けそのものの意になったとする。
    ②東の空がわずかに明るくなる頃。あけがた。あかつき。あけぼの。
    ③明け方に、東の空にたなびく雲。
    ④曙色 明るい鮭色・夜明けの空の色。東雲色ともいう。
    ⑤曙色  明け方の空の色のような浅い黄赤色を言う。「東雲色(しののめいろ)」
    とも言われる。
    出典:①~③は「広辞苑」。④は和名色事典。
     http://www.amcac.ac.jp/~suzuki/03irojiten/04irowamei/irowamei01a.html
    ⑤は日本伝統色名(日本染織工芸愛好会、既出)。