悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

102 明け方の月見て

2005-11-11 06:30:00 | 新古今集

 「作者は女性。月は、逢って、明けがたの別れを惜しんだ時の月。」(小学版) 平安貴族の女性が、万葉の女性と大きく違うところは、非生産活動者であること。だから、男性からの訪れがないことを、非常におそれる・・・尼になるか、蓬になるかと。
 ひらかなy102:あけがたの つきみてつらく おもうのは
          はなれていった あのひとのこと
 ひらかなs1260:あまのとを おしあけがたの つきみれば
          うきひとしもぞ 恋しかりける
【略注】○天の戸を=天の岩戸伝説(アマテラス女神が岩戸から出て、世に日の光が
    満ちた)が前提にある。それを受けて、「おしあけ(押し開け)」「あけがた(明け
    方)」が掛詞。
    ○憂き人=「辛い思いをさせている人。薄情な人。」(同書) 現代詠は、訪い
    (おとない)が途絶えた、としたが、文字どおりには、絶縁とは限らないこと、い
    うまでもない。