家集『赤染衛門集』によると、「男と過ごした一夜を夢と恨む心を訴えた作」(小学版)。切ない女心の情緒に余韻が残る。
ひらかなy110:あなたとの いちやはうたたね だったのか
ゆめにみえては ためいきばかり
ひらかなs1378:いかにねて みえしなるらん うたたねの
ゆめよりのちは ものをこそおもへ
【略注】○うたた寝=仮寝。男との情事を暗示。漢字表現では転寝。
○赤染衛門=悠 078(10月10日条)既出。
■岩波さん、おめでとう。「日本文化の粋-新 日本古典文学大系/全100巻・別巻5 完結」。今朝の広告で知りました。今のような時代に、黙黙とこのような事業を、絶えることなく続けておられる姿に、限りない感謝と声援を送ります。他方において、「世界」。敗戦50年の決意宣言の感動も、いまだに鮮明です。ときまさに、政権党の結党50年大会で、憲法案がまもなく公表される、その日。歴史の審判に耐えられる姿を、いつまでも・・・。 2005年11月22日午前九時 悠山人識。
「うつす」「うつる」は同根。女性・紅葉・色も類縁。熟さないままの一首とした。それにしても、ことしの紅葉は遅い。同時期の去年の撮影会から、眼福なれと。
ひらかな:おもへらく なれともみぢと うつしつつ
あはれうつらふ あきのいろかな