悠山人の新古今

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095 夕暮れに命の

2005-11-02 06:00:00 | 新古今集

 久しぶりの無名歌人。じつは藤原時明(ときあきら)の、女性に託した歌か、と言われる。今夜、空いてる?などと、気楽に声をかける男(いうまでもなく貴族)への贈歌。
 ひらかなy095:ゆうぐれに いのちのはてる かげろうに
           どうしているか きくのはやぼよ
 ひらかな s1195:ゆふぐれに いのちかけたる かげろふの
           ありやあらずや とふもはかなし
【略注】○かげろふ=かげろう。蜉蝣(ふゆう)。蜻蛉。糸遊(いとゆう)。儚い・
    果敢無いものの譬え。「蜻蛉」の漢字は、「せいれい」「かげろう」「とん
    ぼ」の読みが当てられる。糸遊は、「漢語で <遊糸(ゆうし)> というところ
    から、早春や晩秋にクモの子が糸を引いて飛ぶものをいったとする説
    もある。」(三省堂版「大辞林」)
    ○ありやあらずや=(在りや~) 生きているのか死んでいるのか。to
    be or not to be。
    ○はかなし=(かげろうの、女の命は)儚い、果敢無い。