第六回 喜正の会 : 国立能楽堂
番組
狂言 『吹取』 何某 野村萬斎
男 深田博治
女 高野和憲
仕舞
『道明寺』 坂井音重
『雨之段』 観世喜之
能 『清経』 平清経 観世喜正
妻 坂 真太郎
淡津三郎 殿田謙吉
大鼓:亀井広忠 小鼓:久田舜一郎
笛 : 一噌隆之
狂言師が笛を吹くのを初めて観た。今回は萬斎先生が
笛を吹いた。笛の音に、なんとなくおかしみを感じたのは
狂言師だからだろうか。シテは「男」役のはずなのだけど、
萬斎先生は笛を吹きたかったのかもしれない。
能「清経」は初見だったけど、これも仕掛けがあった。
冥界から清経が現れる場面で、揚幕が半分しか上がらずに
閉じたり、上がって登場しても笛方との掛け合いで、橋掛り
で随分と時間をかける。だれも物言わず、楽器も鳴らず、
観客も静まり返ってしまうそんな場面が何度かある。
そうして清経の亡霊はやっと現世に立ち現われてくるのだ。
本舞台にたどり着くまでにけっこう寝ている観客がいた。
いつものことらしい。しかし清経の妻を演る能楽師は
殆ど片ひざ立に終始する。とてもできませんね~。
キリの舞でやっと修羅能らしさを感じた。