言葉のクロッキー

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なかのZERO新春能

2013-01-27 | 能・芸能
2013年1月27日  なかのZERO大ホール

           番組

●素謡 『神歌』  翁:遠藤六郎  千歳:小島英明

●みどころ解説  小島英明

●舞囃子 『高砂』  住吉明神:観世喜正

●狂言  『末広がり』  シテ:野村萬斎  アド:石田幸雄 深田博治

●能  『石橋』  白獅子:観世喜正  老翁&赤獅子:小島英明
          寂昭法師:森常好  仙人:深田博治

大きなホールでの能公演。毎度のことだがちょっと違和感はある。鏡松は橋掛かりまでカバーする堂々たる松の絵。とっても立派。橋掛かりはそんなに長くなかったけれど本舞台も含めてステージ上に特設されている。4本の柱は高さが1メートル位のものが所定の四隅に立っている。ホール自体も大きいし、ステージの天井も突き抜けで高いので、音声を拾うためにマイクが設置されている。開演すると客席は照明が少し落とされステージがパッと眩しいくらいに明るく浮き上がってくる。謡や台詞が頭の上から降ってくる。この音声が一番違いを感じた。端的な感じではあるが安いポータブルラジオのような音声になってしまってる。能本来の良さ・・といっても何十年も見慣れてきた人と若い人とでは感覚が違うと思うので一概には言えないけれど、どちらかといえば薄暗い能舞台で展開される能のほうが、人の感性をより刺激するのではないだろうか。ホールの能はすべてを曝してしまうし仕掛けが強すぎハッキリしすぎてしまい興ざめしてしまうのだ。ホールでの演能を充実したものにするには音も光も質をもっともっと高くしてゆくべきではないだろうか。    開演に先立ち、ステージ上で切火をカチカチとし、火花が散った。 そして素謡。皆様威儀を正して挨拶され神様に捧げる謡を披露した。本来拍手なんかやってはいけないのにな^。解説は面白かった。立て板に水。そんな感じで20分余り。続いて舞囃子「高砂」。声の大きな善正師もかなり踏ん張って発声してる感じがする。八段の神舞。見応えあった。狂言「末広がり」扇のことを言うのだけど、そんなことを知らない太郎冠者は唐傘を買ってきて主人と一悶着するお話だけど役者が揃って楽しめた。しまいの舞踊りがちょっと切られたかんじだ。「石橋」は面白かった。特に中入り後、煌びやかな装束は、明るい舞台上で映え、善正、英明コンビでの獅子の舞はスピード感にあふれ、キレの良い所作はとても印象に残った。