大阪・阪急うめだ本店で開かれた、「ライカの世界 ~ハービー・山口写真展 と ライカ100 年の歩み~」(8月26日~8月31日)の続きです。
ハービー・山口氏の写真展とは別のコーナーに、歴代のライカが展示されていました(許可を得て撮影しています。写真説明はおもに展示パネルより抜粋)。
◆歴代のライカカメラ
ライカ I 型 距離計付(1930年)。
ライカ I 型(A型)は1925年に登場したライカカメラの量産一号機。
ライカ II 型 (1933年)。
ライカ II 型 は1932年に登場。ライカ I 型に二重画像合致式の距離計を内蔵させ、レンズと連動する機構を採用。
ライカ III f (1950年)。
ライカ III f は1950年に登場。フォーカルプレーンシャッターには困難とされていた、フラッシュの同調回路を内蔵。バルナックタイプでは最も台数が多い機種で、18万台以上生産。
ライカM3 (1956年)。
1954年に登場したライカM3 は、それまでのライカを一新した、画期的で完成されたカメラ。バヨネットマウントを採用、巻き上げレバーを搭載して現在のカメラの原型を作り上げたモデル。
ライカM3 。レンズ : ズマリット f1.5/5cm。バックは背面。
かつて、アンリ・カルティエ=ブレッソンをはじめ、世界の多くの写真家が愛用し傑作を生み出した「名機」。
ハービー・山口氏は『 Leica M3+SUMMICRON 50mm は永遠の組み合わせである。 』(「雲の上はいつも青空」)と書いています。
美しいですね… 欲しくなりますね~
ライカM4 (1969年)。
ライカM4 は、ライカM2 をベースとし、いくつかの改良を加え、1967年に発売されたモデル。フィルムの巻き戻しノブをクランクとし、巻き上げレバ―も改良、操作性が良く使いやすいカメラに。
ライカM5 (1972年)。
ライカM5 は1971年に発売。レンジファインダーカメラでは初めて露出計を内蔵。それにより大型化、重くなったためか、生産台数は3万台強とMシリーズとしては少ないモデル。
ライカR3 (1977年)。
1976年のフォトキナで発表。自動露出機構が内蔵された一眼レフカメラ。斬新なデザインと充実した機能で人気を博したモデル。
ライカM6 (1988年)。
ライカM6は、ライカM4-P に露出計を組み込んだ機種で、1985年に発売。ライカM5 のメーターとは異なり、通常のMシリーズの小型のボディーサイズに収めることができ、ロングセラーに。
ハービー・山口氏も愛用の機種。『ライカの入門機として最も適している。 』(「雲の上はいつも青空」)とのことです。
◆「ライカQ」を触ってみた
この展示コーナーの横には、現行のライカ機がショーケースにずらりと並び、販売されていました。
どれも、なかなか手の出る価格ではありませんが、最新モデル「ライカQ(Typ116)」を触ってみました。
カメラの外観写真は撮影不可でしたのでパンフレットで代用。
「 ライカQ 」のパンフレット。
35mmフルサイズセンサー(2420万画素)を搭載したレンズ一体型デジタルカメラ。というと、ソニー「RX1 」を思い浮かべる人が多いと思います。まさにその対抗機です。
AFに加えて手ぶれ補正が効きます。そのかわり、マニュアルフォーカスのライカMマウントレンズより、レンズ自体は大きめ。
持ってみた感じでは、重量感はあるものの、フルサイズでレンズ交換式の「ライカM」よりは、かなり軽く感じました。
レンズは明るい「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」。
内蔵電子ビューファインダー(EVF)は368万ドットもあり、のぞいてみると非常に明るく見やすい滑らかな表示です。ソニー「RX1 」の場合、EVFキット(FDA-EV1MK)は外付けで、235万ドットですから、これはライカのほうがよさそう。
「 ライカQ 」のEVFが面白いのは、レンズのマニュアルフォーカスリングを回し始めると、ファインダー画面がぱっと拡大(3倍または6倍)するところ。ピントが合っている部分が色付きます(ピーキング=赤、緑、青、白の各色から選択)。ライカ初心者にも優しい設計になっています。
マニュアルできっちりピントを合わせ、シャッターボタンを半押しすると本来の画角に戻ります。やってみると、なかなか楽しい。記念撮影や風景撮影にいいのではないでしょうか。
まあ、めんどうな人はAF ですませればいいことですが…
AFも結構、速いです。
画像をクロップすることで35mmや50mm相当の画角で保存できます。もっとも、クロップするのはJPEG画像だけで、RAWファイル(DNG)は28mmの画角のまま。「デジタルフレームセレクター」というのだそうですが、フルサイズの高画質をうまく活用した機能。50mm相当にクロップしても800万画素ありますから、通常の用途では十分。28mm単焦点レンズ一体型カメラとはいえ、実際は50mmまでズームOKと考えてもいいですね。
マクロに切り替えると17cmまで寄れるのも良いところ。
シャッターは30~1/2000秒までがメカニカルシャッター。1/2500~1/16000が電子シャッター。
連写が最高10コマ/秒。 これは速い!
シャッター音は大変静かで、単写だと「チッ」という音しかしません。
このあたり、ライカらしい、よくできたメカニズムという感じ。
無線LAN機能を搭載、NFCにも対応して、スマホと連携。フルハイビジョン動画も撮れます。さらに背面液晶パネルはタッチパネル式。指でタッチしてフォーカス位置を決めたり、指のスクロールで再生画像を選択、拡大縮小できます。(下のデジカメWatch動画参照)
デジタル的な新しさ、日本のカメラに負けていないですね。
最近のライカは、モノクローム専用機をはじめ懐古趣味的、あるいは造りの良さを前面に出したブランド品としてのカメラを出してくるイメージがありましたが、「 ライカQ 」は伝統のメカに加えてデジタルの最新機能を惜しげもなく盛り込んだ製品。
さすがライカ…
「 ライカQ 」、ここ数年の製品の中ではかなり魅力的に感じました。
お値段は… まあそれは、考えないことにしましょう。(価格.comで557,000円)
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撮影カメラ ソニーRX100
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・『ライカQ(実写編) 』(デジカメWatch)
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